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己のゲーム遍歴 あるいは 感情のパンくず

英雄と英雄殺しの英雄と「Skul-The Hero Slayer」レビュー

お久しぶりです。sitaranaです。

皆さんゲーム買ってますか?SteamSummerSaleですよ!SummerSale!

なお、私は積み増した上に積みゲー消化です。

本日のレビューは「Skul」。ジャンルはローグライト。

何の気なしに手を出してみたのですが、これがなかなかボリューミー。

プラットフォームはSteam。ver1.5です。

 

概要

冒頭で紹介した通り、本作のジャンルはローグライトです。

ただ、その垣根は広くデッキビルド型だったりシューティングだったり様々なジャンルとの複合が試みられています。

その中で「Skul」は2Dアクション要素を取り入れたローグライトです。

このジャンルに詳しい人ならば「Dead Cells」と言えば通りが良いと思います。

実際「Dead Cells」とゲーム内コラボしてるみたいなので、実質的にフォロワーと考えて間違いないでしょう。

 

ざっくりとしたゲームの流れは、ステージクリア型のアクションゲームと似ています。

拠点から出発して、ステージをクリアして次のステージに進む。

節目にボスがいて、倒すと少しストーリーテロップが流れてその先へ。

死んだら拠点でリスポーン...とそんな感じ。

ローグライトってなんぞ?という方はSteam(というかValve)がジャンルについて説明してくれている記事があるので、こちらをどうぞ。

私が説明するより100倍分かりやすいです。

store.steampowered.com

みんな!Skul(頭蓋骨)は持ったか!

先駆者がいるジャンルということで、多くの要素が似通っています。

常時効果を備えたアイテムによるキャラビルド、アクションを追加するサブウェポン(精髄)、リソースを利用した継続的なアンロックなどなど。

その中で独自の特徴は、ゲームタイトルにもあるSkul、つまり頭蓋骨の交換システムです。

本作の主人公はスケルトンで、他人の頭蓋骨と差し替えるとその能力を使えるようになるってことですね。

このSkul、バランス・スピード・パワーといった大まかなカテゴリ分けがされた個性的なSkulが存在し、付け替えるとキャラ性能がガラッと変わります。

遠距離攻撃が得意だったり、近接で素早くヒットアンドアウェイしたり、Skulによって持ち味は様々です。

Skulはパーマデスの対象なのでその週で使いきりですが、リソースを使ってアップグレードすることもできます。

これを2つまで所有し、場面場面で切り替えながら対応していくのが持ち味というわけ。

 

時間泥棒

ローグというジャンル全体に共通する性質として、パーマデスを前提としたリトライのゲーム設計があります。

言ってしまえばゲームセンターにおいてあるゲームと同じなわけですが、これが何をもたらすかと言えば、それは時間の底なし沼です。

アイテム・サブウェポンに加えて、Skulという要素が加わっているので、1プレイごとのランダム性はかなり高めです。

さらにローグ系特有の次はもっとうまくやれるというプレイヤー知識・スキルのアップデートが加わった結果として、朝何気なくプレイを始めたら夜になっていたみたいなことが起きるわけです。

特に最初の頃ほど発見のアドレナリンが脳内を支配してくれるため、猿みたいにプレイできることでしょう。

筆者は週末2日を溶かしました

大作ってわけでもないしサクッと終わるやろ、などと軽く手を出した末の総プレイ時間は40時間超。ハマってますねコレは。

偶然完成した、ニンジャダッシュビルドでラスボスをほぼ完封した時はヤバかった。

 

ただ、自分は結構な時間をプレイしましたが、ステージ構成で見た場合のボリュームは然程でもありません。

詳細は述べませんが、ボリュームの多寡は良くも悪くもリプレイをどれだけ楽しめるか、という面にかかっています。

特に本作を楽しむうえでは、手に入ったSkulは満遍なく遊んでみるのがお勧めです。アクション性が個々で結構変わるので好みは大分分かれるところですが、それぞれ強みがあり、強みを見つけることがマンネリ化抑止に最適です。

何事も食わず嫌いしないで、とりあえず触ってみるのが大事ってことですね。

 

独自要素とバランスと

いつものクレームタイム。

本作、結構なアイテムやSkulが存在しているのでそれなりにビルドの幅があるように思っていたのですが、思いのほか狭いのではないか?と感じています。

というのも、全体的に火力を伸ばしていく方向性でないと終盤のボスがきつくなる傾向にあり、

雑魚にしたって数の勝負を仕掛けてくるため、早急に殲滅できないと回復リソースが限られる中ではジリ貧です。

勿論火力を如何に出力するかという方向性はいくつかありますが、リジェネマシマシとか「しぶとい」系のビルドは、そういったアイテムの数が少ないため、ほぼ組めないと思われます。

 

また、Skulにしてもいくつかは能力を十全に発揮できる条件を整えるのが厳しいものがあります。

単発火力や交換スキルが優秀な、交換して運用することが想定されるSkulは相方となる使い勝手の良いSkulを持っていないと採用しにくいですし、グレードアップしないとひたすら弱いものもあります。

Skulも含めたランダムなアイテムの取捨選択を行う必要がある中、その強みを発揮できるパターンを引き当てる確率にかけるよりは、手頃な強さのビルドに流れてしまうことが多いのはゲーム設計として勿体ないように思います。

加えて、パワー分類のSkulは半数ほどがダッシュ操作に制限が加えられています。

具体的には連続ダッシュができないものが多い。ダッシュは無敵時間付きの回避アクションなのですが、連続ダッシュできないということは回避時間が半分ということでもあります。

なので、全体的にパワー型のSkulは前提としてテクニカルな運用を求められるものが多く、ダッシュによる移動速度も稼げないのでドン臭い。

使ってみると独特な戦い方ができるものが多いので、普段使いしにくい、というのが残念でした。

 

あと、不要なアイテム破棄時にお金に換えられる機能がアンロック要素になっていますが、これは最初からついていていい機能だったと思います。

本作は純粋なアクションでなくローグライトなので、アイテムの取捨選択によるビルドの試行錯誤が大きなお楽しみポイントです。

この換金機能の有無で大分自由度が変わってくるので、次回作では是非最初からできるようにしてもらえると嬉しい。

 

総評

良作です。

ストーリーは捻りのない感じですが、個人的には中ボス枠の冒険者連中が大変お気に入りです。

モーションやセリフがそれぞれ凝られていて、憎めない感じがとてもいい。

アクション面に関しては、最初の1時間を楽しめたら、きっと最後まで楽しめるので是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

...ところで、グローバル実績データを確認したのですが、中ボスを一定数倒すと解除される実績の取得率が、ラスボス撃破時の実績より取得率低かったのです。

下手ゲーマーの私は、クリア前に中ボスの方の実績は解除済みなのですが、みんな凄いな!?