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己のゲーム遍歴 あるいは 感情のパンくず

三手及ばず「有翼のフロイライン Wing of Darkness」レビュー

I have control...

先日ぶりのこんにちは、sitaranaです。

 

ふっと戦闘妖精雪風を見てしまい、「なんか空戦ものやりたいなぁ」と発作を起こした結果、積みゲーの山から発掘した「有翼のフロイライン」をレビューします。

 

プラットフォームはSteam, ver1.03, 難易度Normal。プレイ時間は3.4時間。

よろしくお願いします。

ストライクウィッチーズとかそういうの

皆さん美少女好きですか?好きですよね?

戦闘機は?勿論好きですね?

え、戦闘機はちょっと範囲外?じゃあ、メカっ娘でいいや。

 

はい。

とにかく、本作は端的に言ってしまえば、そういう趣向のゲームです。

女の子が、メカっぽい装備で空を飛んで、エースコンバットっぽいフライトシューティングするステージクリア型のゲーム。

戦闘システムの完成度は高く、ミサイルのようなロックオン系の武装はかなり正確にヒットしますし、誘導のない武器でも相手の移動経路を予測して打つべき場所をFCSがガイドしてくれるので、移動軸を揃えなくてもバンバンヒットさせることができます。

難易度Normalくらいなら、居つかないようにブーストでちゃきちゃき移動しておけばそうそう被弾もしません。

戦闘機でもないので、エースコンバットであった戦闘機特有の方向転換が難しいとか、上下反転して首が痛くなるようなこともなし。

総じて、エースコンバットを無双にアレンジしたようなカジュアルさを感じました。

実際、プレイ感覚としては爽快で面白い。射撃ガイドがいい味を出していて、完全にシステムに乗せられているってほどではないのがちょうどいい感じ。

↑ミニレーダーもちゃんとついてる

装備変更はプライマリ・セカンダリ・バックウェポンの3種それぞれに3~4種類の武装があり、それらを付け替えてアセンブルするスタイル。

ステージ全クリするくらいの間につけ回して体験できるくらいの量なので、ある意味妥当な量。

そこが最も問題なのですが

 

肉をつけろ、肉を

プレイ時間3.4時間

 

これが全て。

Steamの他のレビューのプレイ時間を見ても、大体2~4時間くらいなので、1周のボリュームがそれくらいと思って大きく外れていないでしょう。

つまるところ、圧倒的なボリューム不足。骨と皮だけか、と突っ込みを入れなくてはいけないレベル。

難易度がNormalの上に2つほどあるので、単純にさらに2周追加したとして10時間強。

 

これは正直個人的に頂けないと思っている点で、ステージの数で制限を受けたのか、はたまたストーリーの肉付けをしないスタイルだったのか分かりませんが、ストーリーも尻切れトンボ。

本作のストーリーはナニがあったかよく分からんが敵を倒してエンディング、という身も蓋もない終わり方をします。

伏線張るだけ張って何も回収しないのは話を閉じる気を全く感じません。

 

加えてリプレイ性という意味では、エースコンバットおなじみのリプレイが無いというのがかなり致命的です。

シューティング系のゲームというのは大抵位置取りが重要なゲームです。無敵回避のモーションが無いことが多いので位置避けする必要がありますし、攻撃は基本正面方向に飛ぶものなので相手を視界に入れないといけないからです。

特に3Dフライトという要素が入ると水平方向+垂直方向となるので、より重要性は高いと言えるでしょう。

んで、プレイしている間は自機視点なのでどこをどういう風に改善したらよいのか、それを探るための情報が圧倒的に不足してしまう。

そこまで難易度高くないんだからいいじゃん?という意見もあるでしょう。しかし、プレイフィールとしての満足感はどうでしょう。

敢えて言いますが、エースコンバットではその機能がすでに実装されているのです。

自機が、自機を操作する自分が、どんな風に動いているのか見返すというのは復習の意味もありますが、プレイヤーの満足感を充足させるカンフル剤になっているのではないかと思います。

スコアアタックみたいなのを目指す人ほど無様なリプレイは残せない。あるいは実用性のないアクロバティックな動きそのものを目指すということもあるでしょう。単純にカスタムした自機の勇姿を眺めたい、という願望もあるかもしれません。

そこをオミットして、なおかつコンテンツ量が不足しているとなればゲームとしてのリプレイ性も下がっていくのは自明です。

 

最後にバランス。

これも他のレビューで指摘されていることですが、武器のバランスが悪い。

はっきり言って、各項目で使い物になる武装が1~2種類くらい。産廃になっている項目が1種類はあります。

武器数絞ってるんだから、それぞれに使い道は用意しておいて欲しかった。ユニコーンとか何に使えばいいんだアレ・・・。もっとデカブツが出てくる予定なのがオミットされたのだろうか。

 

なまじ骨の部分のできがしっかりしているだけに、ちゃんと肉をつけてから出てこなかったことが悔やまれます。

 

まとめ

佳作です。

肝心要の空戦部分はちゃんと作り込まれているものの、それを支える体力が足りなかった。

例えるならば、持久力のないボディビルダー。1,000円くらい盛っていいから、もうちょいコンテンツを拡充してほしい。

逆に言うと、定価でこれを買うのはお勧めしません。

キャラ萌えに振れているわけでもないので、フライトシューティングをしたいなら素直にエースコンバットを買った方が無難です。

とは言え、エースコンバットはなんだかんだ難しめですし、ちょっとお堅い雰囲気があるので、ちょっとフライト系の雰囲気を感じたい、というのはアリ。

Steamの恒例セールで大体値引きしているので、その時に積みましょう。