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それは人類を試す奇妙な旅「新・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY」レビュー

ハロー、はてなブログ

私はsitarana。

自由気ままにゲームレビューを投下するブロガーです。

 

・・・

もとい、お久しぶりです、sitaranaです。

本日は「新・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY」をクリアできたのでレビューします。

何で今更DSのソフトやってるのかって?

夏の閉店セールで安かったからさ!

 

難易度はNormalで、1週目クリア時点。プレイ時間は100時間超。

よろしくお願いします。

 

つまるところ、メガテンとはどんなゲームなのか?

ペルソナシリーズとかプレイしていたのですが、実はメガテン*1初プレイ。

どんなゲームか?というと、世界観がダークで世紀末で神話系RPG、と言えると思います。

とにかく世界観が特徴的で、

ダークなのも、世紀末なのも、いくらでもありますが、

悪魔だの天使だのという世界3大宗教と殴り合いできそうなテーマでひたすら攻めているタイトルは、そうないでしょう。

昔からの実績あるから許されているだけなんじゃないかってくらい、大手メーカーが出しているソフトとしてはキレていると思います。

メガテンにおいては、女神とかもみんな悪魔扱いだったりするわけですが、

神によって悪魔に堕とされたとか、

一神教の布教に関する隠喩なんかもしれっと語られる辺り、宗教的にもダークです。

 

そういう意味で、個人的にはかなり雰囲気ゲーの趣があると思っています。

 

RPGとしての面白さ

本作、私は世界観が最も好きなポイントですが、RPG部分もしっかり作り込まれています。

 

メガテンでは恒例ですが、悪魔召喚プログラムというやつを使って、世界中の神話、伝承に登場するファンタジーな連中を仲魔として使役することになります。

ペルソナでは固定された味方キャラが存在しますが、メガテンでは仲魔を自由に組み合わせてパーティーを組むんですね。

この仲魔、敵として出てくる悪魔を説得して味方につけたり、更には悪魔同士を合体させて新たな悪魔を作り出すといった冒涜的な方法で強化していきます。

これが、世界観とマッチしていて、平気で人間をぶっ殺しにくる悪魔と協力しながら旅をするという、不思議な体験になるのです。

 

正直な意見、ダンジョン探索自体はそこまで楽しくない、というか素直にひたすら面倒な作りをしています。

難易度が高いんじゃなくて、面倒くさい。ここ重要です。

なにせ、世界樹染みたフィールドには、ワープに一方通行、落とし穴、隠し扉、ミニマップに経路が記録されないダークゾーンなど、嫌がらせがオンパレードで仕掛けられているのです。

特にワープと一方通行はひたすら同じ場所をぐるぐる回らされることになり、一見ダンジョン自体は狭いのに探索にやたら時間がかかることになります。

なので、いつの間にかプレイヤーレベルが上がっていることになる。

ここ重要(2回目)。

 

普通のRPGだと正直そこまで嬉しい要素でもないのですが、メガテンではプレイヤーレベルが上がると、使役できる悪魔が増えます。

本作では、悪魔の総数がゆうに100を超えているので、単純計算で1レベル上がると何かしらの悪魔が解禁されると思っていいでしょう。

そして、悪魔合体して悪魔を作ると、単純計算で手持ちの悪魔が減るので*2、結局悪魔の数を増やすためにダンジョンに潜るわけです。

レベルが上がる => 悪魔を合体する => 合体すると手持ちが減る => 手持ちの悪魔を増やす

というダンジョンを進むうちに自然と繰り返されるサイクルが、ダンジョンをウロウロさせられるというネガティブさを必要経費に昇華しているのです。

なので、面倒なんだけどあんまり苦にならないみたいな、よくわからない心境に至るのはよくできているというか、なんというか。

プレイ時間の大半はレベル上げに吸われていると言っていいでしょう。

 

なお、レベルデザインとしては、割とダンジョンうろつかされて適正レベルくらいになるので、経験値テーブルとダンジョンの面倒臭さは計算通りな感じがします。

おのれアトラス。

 

善悪で語れない世界観

もう一つ。

前述しましたが、メガテンの世界観はかなり特徴的です。

本作では、世界が末期的な状況にある中、突如として南極に現れた特異点シュバルツ・バースを調査するために調査隊が派遣され、そこで悪魔に遭遇し、世界の命運を分ける旅をすることになる、という流れです。

このなかで、人間ぶっ殺し上等な悪魔が、時には人間の話を聞いてくれたりするちぐはぐさを見せたり、

ストーリーが進むにつれて調査隊クルーたちがおかしくなっていったり、

結局天使も悪魔も極端な主張しかしてこなかったり。

これ、正直かなり人を選びます。

天使だの悪魔だのが出てくる割に、何を信じるのか、というところは結局人間の感性で選ぶことになるのですから、

善悪は立場次第とかそんなんじゃなく、善も悪もない。

 

コズミックホラーが受け付けられないのでBloodBorneは無理、という人に以前あったことがありますが、感性というよりは思想的に付き合えないという人もいそうです。

あ、個人的には大好物です。

 

不満点

システム的なところには、ほぼ不満がありません。

というのも、本作は「新・女神転生 STRANGE JOURNEY」のアペンド版であり、

無印で出た不満が大筋で解消されているからと思われます。

だって、追加要素の項目見たら、「え?その機能なかったの?」と思わず二度見してしまうものばかりですから。

 

そのうえで1点あげるとすれば、お金(マッカ)周りが終盤になるにつれて、やたらしんどくなるのが気になりました。

手持ちの悪魔を増やすにあたっては、野良で遭遇した悪魔を会話で引き込む以外に、悪魔全書と呼ばれる、一度仲魔にした悪魔をお金を払って召喚できるシステムがあります。

後半になるにつれて、野良で遭遇する悪魔を合成する程度じゃ高位の悪魔に対して遠すぎる割に、悪魔全書の費用が高くて金策が厳しい。

金策とレベル上げを兼ねていたら、いつの間にかレベルがカンスト気味になったので、これだけちょっと厳しいなー、と感じました。

 

結論

良作です。

やれることの幅は狭いのですが、その分濃度と距離を稼いでる感じ。

ただ、方向が独特でスイートスポットが滅茶苦茶狭いんじゃないかと思う。

ペルソナがジュブナイル方面に舵を切って、間口を広げたのは商売的には正しいんだろうなぁ、と別口で納得してしまいました。

 

ただアトラスさん、完全版商法はそろそろ勘弁してくれませんかね・・・

今ならDLCで追加パッケにするとかにしてくれないと、お財布厳しいです

 

*1:女神転生の略称

*2:2体以上の悪魔から1体の悪魔を作ることになる