ちょっと涼しくなったと思ったら、またすぐ暑くなったよ。
sitaranaです。
唐突ですが、皆さんには「そう何度もプレイするものじゃないけど、シリーズが出たらたまに猛烈プレイしたくなる」ゲームはありますか?
ある種の”お約束”が忘れられなくて、あの時の感動や快感がまた欲しくなる、そんなときは無いでしょうか。
はい、というわけで「スーパーロボット大戦 30」です。
ちょっとずつ変わってはいるものの、根本的には同じシステムのスパロボに何を求めているのか。そのあたりをふりかえっていこうと思います。
プラットフォームはSteam。難易度ハード。DLCは全盛り。
プレイ時間はDLCエンディングまでで112時間弱。
よろしくお願いします。

変わらないこと、変わったこと
スパロボがどのようなジャンルのゲームかは、あまり言葉を必要としないでしょう。
典型的な四角マスのターン制戦術シミュレーション。
そのうえで、ミッション間にロボットやパイロットの強化。
結構やるのは久しぶりなんですが、悪く言えば変わり映えは無く、よく言えばあの時のまま。

段々と部隊に味方が合流していって、その機体を強化。参戦したパイロット同士の寸劇、世界観のクロスオーバーを楽しめるのはまさにスパロボの醍醐味。
今回は半フリーシナリオ方式になっていて、多少順番を好みで変えられるのが特徴。ステージごとに合流できるキャラが異なると、クリア順次第でちょっと会話内容が変わったり、みたいなことも起きるのでライブ感もちょっとある。
精神コマンドとかは相変わらず。
地味に努力・幸運が次の戦闘じゃなくて、次の敵撃破に置き換わってたり、パイロット強化要素のPPがキャラごとじゃなくて、全体で共有制になっていたりと面倒な要素はどんどんなくなっている印象。
思えば、ほぼほぼターン制限・敵HP下限の撤退も撤廃されてるので、そういう意味でもカジュアル化してますね。
強化要素は数が多くなって、むしろインフレ気味です。
機体・パイロット以外に全体強化要素がありまして、各ステージをクリアすると取得できるポイントで強化します。
また、パイロットの敵撃墜数に応じたエースボーナスも健在。健在どころか、エース -> グレートエース -> その先のよく分からんエース、と三段階まである豪華っぷり。
よく見たら、機体のカスタムボーナスも全5段階強化で解放されるわ、さらに強化したらいつもの地形適正ボーナスとかも取れるわで、「え?こんなに強化できていいの?」と思わず二度見してしまったほど。
さて、というわけで難易度の傾向は優しい寄りです。
今回選択した難易度がハードなのも拍車をかけていて、なんか全然むずくないな?と思えば、これ下から3つ目、丁度真ん中じゃねーか!という事実。
明らかに全体強化要素に資金などの累積入手が置かれていたりするので、ステージクリア型のシミュレーションの経験があるならば絶対先に取ればいいよね、と分かるものが多く、経験者なら楽勝。(そういう難易度なのだろうけど)

ただ、熟練度システムをやめて、最上位の難易度を除けばいつでも難易度を変更可能なシステムになっているのは高印象。
従来の熟練度システムだと隠し要素を取得することの、イコール難易度増だったので、楽しみたい部分とゲーム難易度的な部分がミスマッチしていると感じることがありました。
ゲームとしては、飽きさせないようにボーナス取得と一緒に難易度を引き上げるというのは正しいのだけど、お祭りしたいだけなのに難しくなりすぎるのはね?というところもあったので。
私がスパロボに求めていたものはなんだったのか
よく言われるのが「スパロボは(ゲームとして)ぬるい」という評。
まあ、Fとかインパクトとかその世代を知ってるとスパロボだからとは言えないところですが、最近のはやっぱり難易度的には低めなのは印象としては強い。
じゃあ、難易度マシマシのスパロボをやりたいかって言うと・・・それはそれで違うなぁというのが私の評。
個人的にはスパロボは「お祭り」作品です。
多種多様な作品のストーリー、世界観、ロボット、キャラクターがクロスオーバーする素敵時空。
オリキャラもちゃんとしてると、というかちゃんとしていてくれないと面白くない。
言ってしまえば、私は二次創作としてのスパロボが好きな人種です。
じゃあ、難易度はなんも無しで良いのかというとそれはそれで違くて、ロボットものが少なからず闘いを要素として描いている都合、そこに整合性は欲しい。
詰まるところ、簡単に倒されすぎる敵対勢力はクロスオーバーとしてどうよ?という感想。
原作でひたすら無双してるとかならまだしも、それなりに苦労して撃退しているやつが簡単に撃退できちゃうのはどうかなーと。なんか萎えない?と。
表現としてはゲーム的な難易度に落とし込まれるべきなんですけど、目的はゲームの面白さのためにではなく、原作も含めてストーリーとして盛り上がって欲しいから。
いやまあ、古今東西のスーパーロボットが結集してるんだからあっさり撃退できるのも仕方ないのでは?なんて思わなくもないですが、そこはそれ。
また別の意味でピンチとか原作再現をちょっと簡易化しすぎじゃないか、と感じるポイントもあったのはバッド。
多分フリーシナリオ形式を採用したのも影響しているのかもしれないけど、ピンチの溜めが非常に軽め。
一ステージも概ね30分くらいで収まるような感じで、昔に比べてとっつきやすくしている印象が強く、その尺でやりきるのが難しかったのかな、などと思ったりもします。
間口を広げないと衰退する、シミュレーションゲーム自体がライトには訴求点低めという縛りがあるので難題なわけなので、そこは理解しつつ。
そこは「難易度選択でセルフ調整してね」ということなのは分かるんですが、今作のスパロボってシミュレーションとしてはあんまりにも択が狭くて面白味が少ないのもネック。
強化幅は広いけど、フルカスタムボーナスは結局、地形適応・射程・移動の3つくらいしか取る意義は薄いし、概ねどのロボット使っても射程で困ることは無いし。
やっぱり難易度高くするって考えると、何だかんだシミュレーションとしての面白さも欲しくなっちゃうという矛盾していることを言っている面があって、なかなか難しいねんなと書きながら思ってしまったところ。
DLCとしては王道。でも、それじゃ物足りない
DLCについても一言。
本作のDLCは大きく分けて、
1.追加参戦作品
2.お祭りシナリオの追加
3.後日談シナリオという名の完結編シナリオ
で構成されています。*1
2.についてはかなり気合が入っていて、本編でコメディ系シナリオがほとんど無かったのに対してかなりはっちゃけていて、かなり面白い。
特にマジェプリの追加シナリオなんかは専用の戦闘ボイスがあったりして色々満足。
新規立ち絵とかもあってなかなか遊んでる印象が強くて好印象。
ただ、1.3.がちょっと物足りない。
というのも、DLC参戦組は3.のラスボスに呼び寄せられたという筋書きとしてはきれいにまとまっているのですが、敵キャラはほとんど呼び込んでいないというのが消化不良要素。
断っておくと、DLC参戦組も会話パートでちょいちょい絡んでくるし、参戦シナリオの他にもいくつかシナリオがあるので、放りっぱなしということはないです。
ただ、スパロボというと倒すべき敵があってこそのヒーロー、世界観が混じってこそのクロスオーバー、と私は思っているのでそこがマイナスポイントってことです。
まあ、実績としては作れたはずなので今後に期待ですね。
一歩踏み違えてたら道が違ったかも・・・というifがありうるのもスパロボの醍醐味なので、鉄華団とか見てみたい。(火星が絡むとメガノイドとか木星トカゲとかもでてきそうだけど)
まとめ
普通よりの良作。
自分、大体プレイして大きな文句とか粗が無ければ良作判定なんですけど、ちょっと辛口め。
フリーシナリオ初採用(だよね?)のせいか、あるいは他の理由か。ストーリー的に、ちょっと絶望感というか溜めがやっぱり弱すぎる気がするってのが大きい。
マジェプリとかナイツマとか好き目の作品は出てるので、そこは満足なんですが。
私にとってはスパロボは「やるADV」なので、シナリオが好みになってるかどうかが大事でして。
ついでにいうと、ヒュッケバインももうちょい最強技を魅せる演出にできなかったんか?とか。
まあ不満はちょろちょろあるところですが、水星の魔女が出てるYも気になってるので、スパロボは続いて欲しい今日この頃なのでした。
*1:ボーナスアイテム入手とかあるけど脇に置いておいて