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己のゲーム遍歴 あるいは 感情のパンくず

うさぎ(と弾幕)はお好きですか?「Rabi-Ribi(ラビリビ) + DLC」レビュー

初めての人は初めまして、いつも見てくれている人はこんにちは。

sitaranaです。

ウィンターセールでまた一杯積んだのですが、ゲームは一期一会。

ウィッシュリストなんぞに積んだら行方不明になるのが確定しています。

ダメな骨董品好きみたいなことを言ってますが、後悔はない。

 

さて、それじゃ新作でもプレイしますか・・・

という前に往年の名作(当然積んでいた)が目の端に入ったので、そちらを優先。

本日のレビューは、2D探索横スクロールアクション「Rabi-Ribi(ラビリビ)」です。

 

プラットフォームはSteam, ver2.0.1, 難易度ノーマル & スタンダード, 1周目クリア(「In the order a DLC?」込み)。

プレイ時間は30時間弱。

よろしくお願いします。

 

見た目は萌え絵、会話は百合、しかしてその実態は

本作のストアページを見て最初に目に入るのは恐らくエロい可愛いデザインのキャラクタでしょう。

海外スタジオ製の作品だと日本的なデフォルメの作品は少ないように感じますが、ジャパニーズアニメちっくな絵柄をしていてとっつきやすい印象があります。

また、台湾スタジオの作品ですが、翻訳の質も良好。一部言い回しが唐突に感じる部分もありますが、日本語として意味が通らないような表現は見当たりませんでした。

 

 

そしてキャラ紹介を見て分かるように、登場人物は純度100%女の子only。

序盤こそ仲が良い、くらいの描写ですが少しずつそれっぽい会話や匂わせがちらちらしてきます本性表したね

このあたりは人によってはちょっと注意が必要かも。と言っても露骨な描写ではないので女の子同士とか一切許しません、という人でなければ気にするほどのものではないでしょう。

 

 

では、その実態は何かというと高難易度メトロイドヴァニアです。

メトロイドヴァニアとしての構成は直球のスタンダード。

相互に接続されるマップが続き、到着時点では通過できなさそうな高い壁や距離の離れた谷といった地形障害物が配置されている作り。

 

↑ジャンプでは届きそうにない・・・その先には何があるのか?

 

その時その時のできることでは手が届かない地形やギミックを、後で手に入れた能力でどのように料理するか、といったところが魅力の一つ。

3Dゲームで言うところの”あの丘を越えたら”を2Dに落とし込んだ感じがして、個人的には好き。

まだ見ぬその先を自分の手で開拓していくのはいつだってよいものです。

その他、特定の攻撃で破壊できる壁などに能力アップアイテムが隠してあったりして、その部分も探索と言える。

 

↑アイテム入手の演出もデフォルメされていて可愛い

 

さて、ここまで”難しい”と評した部分には触れてこなかった。

実の所、マップ・探索部分のほとんどは然程難しいという程ではない。*1

隠しアクションとかを駆使して実績埋めや自由に攻略していこうと思うとシビアな操作技術を要求されるが、どちらかと言えばやり込みの分類に入るだろう。

どちらかというと、ゲーム全般を通じて難しい要素はボス戦部分にある。

 

ご注文は弾幕ですか??

本作は2D横スクロールアクションゲームであるが、敵の攻撃全般は弾幕である。

そう、弾幕シューティングゲームとかで見るあの弾幕である。

本作の戦闘システムはアクションでありながら、弾幕シューティングゲームの要素を混ぜたものになっている。

 

 

上の画像はまだ序盤のボスのものだが(再戦時にキャプチャしたものなのでステータスについては序盤ではないけど)、画面上の複数の箇所に攻撃判定が発生しているのが見て取れると思う。

つまるところ、これが弾幕であり、所狭しと押し寄せてくる弾幕を潜り抜けてボスに近接、コンボをつないで倒せ!という流れ。

プレイヤーの当たり判定についても、キャラクター自体は大きいが当たり判定は首の根本あたりのごく狭い部分にしか存在しない。

このあたりも弾幕シューティングゲームのコンテキストである。

 

で、何が難しいかというと、やっぱりシューティングっぽい癖がなかなかに難しい。

1つはボムの存在である。

シューティングで一般的なギミックであるボムは、使うと無敵時間を得られたり、敵弾を消したりできる、あのボムである。

本作にもそれが搭載されていて、使用すると短時間の無敵を得られる。*2

基本はロックマンシリーズと同じように位置回避ゲーであるアクションにボムが存在する意義とは、回避するのが難しい or 回避不能パターンが含まれているということである。

この判断が結構シビア。なにせ飛んだり跳ねたりしているアクションの最中に使うか使わないかの判断に迫られるわけなので、基本的には初見殺し。

何より、とっさに無敵回避する、という操作・判断に慣れていないとそもそも使うという行動パターンにつながらないことも多いだろう。位置回避を基本とするだけに、どう見ても避けられないけど避け場所を探し続けてしまう、なんて感じである。

加えて、このボムは時間経過で所持数が回復し、ストーリー進行で最大所持数が増加していく。

見るからに”回避するのが難しいパターンを盛り込んでおくからよろしく!”というゲームからのメッセージである。(そして実際に敵の攻撃密度は加速する)

 

もう1つは敵弾の弾道を読まなければならない、という点である。

発生位置の別、速度の緩急、直線・曲線etc、様々なパターンがあるがそれらに共通するのは避けるためには弾道をきっちり見切らなければならないということ。

これ自体は普通のアクションでも普遍的に見られる要素だが、とにかくその物量が半端ではない。

無数にあるオブジェクトのうち、注視しなければならないものを見つけ出し、回避動作をしつつ、次に来る敵弾にも注意を払う、と通常のアクションゲームより視野を広く持つことを要求される。

 

と、まあまあ難しい要素を列挙したが、回復アイテム、強化バフなどの救済要素もそれなりにあるため、クリアだけなら何とかなることも多い。

HP制のため、シューティングのように被弾->即死亡(or 弱体化)という詰み要素もないため、難易度ノーマルなら、ある程度のリトライでゴリ押しできる程度である。

攻撃ダメージが即死しない程度に抑えられているため、不慣れなうちでもリトライ1回1回でそれなりに攻撃を体験できるし、そういった難しい攻撃をうまく"捌けた"ことができれば腕前の上達を実感することができる。

リトライもボス前には必ずチェックポイントがあり、オートセーブも完備している親切設計。

独特の難しさを持ち、反復して難しさを克服するというサイクルがいい感じに設計されているところが、2Dプラットフォーマーとしての完成度につながっている。

 

ヴェアアアアアアア

それはそれとして、こうしてくれたらな、という点。

  • マップのどこそこにアレがあった、というのは記憶から抜けがち。エルデンリングみたいにマップにマーカーを置ける機能が欲しい
  • ジャンルとしての歴史が長い分、メトロイドヴァニア部分はネタとしての新鮮さはない。2段ジャンプ、壁キック、空中ダッシュなど能力拡張はもはやありきたりである
  • 隠しアクションが結構難物。特に壁キックアイテム無しでも壁キックできるのだが、これで壁キック必須エリアに突入してしまうと戻るに戻れなくてエライ目に会いかねない。アクションに隠し要素を入れるのは好み・良し悪しともに判断が難しい

 

まとめ

良作です。

アクションの軽快さ、探索要素、歯ごたえのあるボス戦、それぞれがもりもりで1周プレイするだけでもお腹いっぱい。

スピードランモードやボスラッシュといった、別方面の遊びの要素をゲームサイドでサポートしているのも面白い点。

特に、プレイタイムに至っては通常のストーリモードですら、メニュー画面で表示していたり。

とりあえずDLCまでストーリークリアを通したわけですが、実績解除率は驚きの4割未満。”やれること”という枠組みで見ると、3桁時間遊べるというのも頷けるコンテンツ量です。

ただ、1週辺りのカロリーが相当高いので、別難易度とかのやり込みに手を出すのは相当気に入らないと食手が伸びないだろうなー、とも思います。

 

意外なところとしては、昨年の同じころにプレイした「LAST COMMAND」はラビリビの開発スタジオが絡んだ作品だったんですね。

どちらも”弾幕”が共通要素になっていますが、意外なつながりがあったものです。

 

なお、ラビリビとは関係ありませんが、やはり能力拡張型の2Dプラットフォーマーでは、基本フォームに能力が拡張される形式の方がなにかと爽快であると感じました。

変身とかで切り替えが発生してしまうと、どうしてもテンポロスというか連続性としてのアクションの断絶が気になる。

ノータイムで切り替えとかできるとまた違うんだろうか。

 

では、また。

*1:後半の一部マップは除く。気になった人は確かめてみて欲しい

*2:緊急回避手段としての側面。他にも敵の無敵を剥がしたりする効能があるので、攻めにも使える