NoOneLivesForever

己のゲーム遍歴 あるいは 感情のパンくず

これは正しい経験だ「CrossCode + DLC:A New Home」レビュー

暖かくなってきたと思ったら、また寒い・・・。

ようやく風邪から復調したsitaranaです。

 

どうも地域で風邪っぽい何かが流行していたらしく、職場でも人が少ない日がちらほら。

そんな時はあれです。

積みゲーを潰して精神を温めるのです。

今は風邪に効かないかもしれませんが、そのうち病気に効くようになったりならなかったりするかもしれません。

 

ということで、今回のレビューは「CrossCode」+DLCの構成でお送りします。

なお、今回はちょっと今までの積みゲーとは様相が異なりまして、実は本編は既にクリア済みでした。

ですが、DLCをカートに放り込んで早数年。年初にリストを眺めていたら”やってねーじゃん!”と気づいたわけです。

加えてなのですが、本作はジャンルとしては2Dパズルアクション+ツインスティックシューターという、そこそこレアなジャンル。

操作に習熟していないとDLCとか無理ゲーっぽい予感がしたので、本編からもう1周プレイすることにしました。

注意事項として、NewGame+モードで経験値とお金の取得にブーストをかけているので、どノーマルの初周プレイではないことはご容赦を。

 

プラットフォームはSteam、ver 1.4.2。プレイ時間は初周66時間、今回のプレイで約71時間。

よろしくお願いします。

 

やぁ!

まず本作のゲーム性について触れようと思います。

冒頭で述べたように、本作は2Dパズルアクションにツインスティックシューターを組み合わせた、なかなか贅沢な作りをしています。

ツインスティックシューターというジャンルに馴染みの無い方も多いと思うのでざっくり説明すると、ゲームパッドの左スティックで自機を操作しながら右スティックで射撃の照準を合わせる、といった類の操作系統のことを指します。



 

上図の破線で伸びているのが照準。自機を操作しながら射線を狙い、放つ、というわけ。

さて、ステージクリア型のアーケードスタイルなんかではたまに見るジャンルではありますが、本作のメインはパズル&アクション。

それらがどうつながるのか?と気になる方もいるでしょう。

本作では、このシューター要素がパズル要素に深く関連しています。

例えば、次の画像を見てください。

 

破線が壁にぶつかって反射しているように折れ曲がているのが分かるでしょうか。

この破線は弾道がどのように変化しているかを表しており、実際に射撃するとその通りに反射して進みます。

そう、これこそが本作において最多頻出するパズル要素の1つ、ボールパズルです。

実はオレンジの壁は射撃を透過しますが、青の壁は射撃を通さない、という仕様になっており、

反射を利用して青い壁の後ろにあるスイッチを押す、というチュートリアルの一環です。

このボール、射程は無限の癖に反射回数には制限があったりと、まさにパズルのために設定してますと言わんばかりの設定を拵えてあります。

無限反射だったら、どれだけ簡単だったことか!

文字に起こすとやたら面倒くさく感じますが、射撃の予測線が表示されるので操作自体はかなり直感的に行うことができるので慣れるのにそう時間は必要ありません。

チュートリアルと断った通り、本作ではこのようなパズルを基本形に、拡張されたギミック、順序をうまく考える必要がある構成などなど、解きがいのあるパズルが大量に配置されています。

大規模なものの一例としては、こんな感じ。

↑大規模だけど、実は始点ははっきりしている

 

さて、本作におけるパズル要素はもう一つあります。

それはジャンプです。足場渡りと言い換えてもよい。

 

まあ、こんな感じでマップのいたる所に飛び移れそうな段差があり、いかに乗り継いで目的地に達するか?というもの。

概ね、扉だったり宝箱だったりが、これ見よがしに置かれていて、そこから逆算していく形式。

ポイントは、高度を上げるタイプのジャンプアクションが無い、ということ。

乗り上げることができる段差地形を利用する以外、高さを上げる方法はありません。

詰まるところ、起点が決まりきっているため、良くも悪くも解法が決まったパズルであり、ならば逆算で簡単に解ける・・・とはならないのがお約束。

序盤ならまだしも中盤以降はマップそのものがかなり広大なため、解き方の目途はつくものの実際に解くにはどこから進むのが正解か?と試行錯誤する難しさが存在します。

なお、私が2周目プレイにも関わらず、DLC込みとはいえ、ほぼ初周と変わらないプレイ時間をかけてしまった最大要因がこれです。

というのも、

 

こんな煽りを受けたらやらざるを得ない・・・。

ということで、変な自尊心染みたものに突き動かされて全宝箱取得までやってしまったという・・・自業自得。

↑やったぜ

 

ただ、これだけならばよくあるパズル要素の組み合わせ、という風に見えるでしょう。

本作のパズル要素の最大の醍醐味は、やはりアクションとの組み合わせにある、というのが私の意見です。

ゼルダの伝説なんかでも、時間に追われて解くタイプの謎解きはありますが、本作ではそのようなタイプが多数存在します。

パズルのギミックを追いかけるもの、タイミングよく複数のギミックを実行するもの、ギミック間で場所の移動を要するもの・・・

とにかくアクション -> パズルがしっかりつながっているのが特徴と言えます。

アクションそのものも軽快に出来ており、それ故要求されるスピードも若干早めですが、人間何事にも慣れてくるもの。

難易度カーブも理不尽な上昇がないため、楽しみながら進めることができました。

 

待って!

さて、本作についてパズルアクションと評しましたが、これだけでは不足しています。

本作は加えてアクションRPGでもあるのです。

なんだこのサラダボウルは。

 

補足をすると、このあたりはストーリー設定にも関係しているところです。

本作は、作中のオンラインゲーム「クロスワールド」をプレイするプレイヤーを主人公として、その物語を追うことになります。

このゲーム、なんとSAO染みた感覚共有機能があるうえに、別天体にあるテラフォーミングされた人工大陸に転送したアバターを操作するという未来未来した作りになっていて、なんとも羨ましい・・・!

という作中設定は置いておいて、我々から見るとゲーム性としてはアクション性のあるMMORPGです。

なので、そういうのにお約束なレベル・装備・スキルツリーといった各種要素が存在するわけですね。

↑スキルツリーは、ネタ被りもそこそこあるが個性豊かなスキルも多い

 

アクション部分については、パズルにも使うシューター、近接攻撃、ステップ回避、防御アクション、とアクションRPGでありがちな要素は一通りフル装備。

シューター要素が多少特殊な程度で他は割とオーソドックスな品揃えと言えます。

ではゲームバランスはどうかというと、”アクションとしてはシビア、戦闘バランスは大味”という仕上がり。

本作、ステップ回避には無敵時間、防御アクションは基本ダメージ軽減制でジャスガ有り、という仕様なのですが、デフォルトだと受付時間が割と短め。

といった塩梅なので、序盤は操作に慣れていないのもあって無敵などで潜り抜けるというよりは、軸回避や余裕を持った防御の方が重要です。

つまるところ、きっちり見て・覚えて・適切なアクションを取る、というのが基本。

このあたりは、終盤に進むにつれて装備やスキルツリーが伸びてくると、受付時間を延ばすスキルを盛れるようになっているので、そこまで我慢といった感触。

では大味なのはどこかというと、そこはダメージバランスの部分。

割と火力が高めに設定されていて、適正レベルで攻撃系のスキルをちゃんと揃えておけば、ボスの1形態分のゲージはきっちり押し切れるようになっています。

加えて、ゲージを削りきると自機のHPが割合回復する仕様なので”死ななきゃ安い”が成立しやすくなっているんですね。

↑ボスは緻密に描かれたピクセルアートで大迫力。見応えも十分

 

個人的には、回避やジャスガなど作り込まれているので、このあたりを序盤から積極的に戦術に取り込みやすい方が好みですが、操作感が全体的に軽快だったので十分に快適にプレイできました。

作り込みがある分、もう少し活用しやすかったらなぁ、とは思うのですが。

 

ストーリーについても、ちゃんと筋は通っているし、キャラに嫌味もない、破綻の無い範囲でSFしているので及第点。

無茶苦茶感動する、といった類ではありませんが、安心して見ていられると程よい感じが嬉しいところでした。

海外デベロッパのようですが、翻訳はDANGEN ENTERTAINMENTが監修しているようで、全体的に高クオリティ。

極々一部に誤字や未翻訳テキストが残っていることがありますが、大筋にはほとんど影響がない範囲です。

ちょっと注意が必要なのは、ストーリーについてDLCが補足というよりは完結編としてのポジションにあるということ。

本編エンディング時点ではいくらかの謎を残す形で終幕するため、DLC抜きでは切れの悪さが目立ちます。

ストーリー部分が気になる方はDLCはマストバイとなるでしょう。

↑絵柄は少し癖があるが、表現が豊かで愛嬌を感じるデザイン。やってるうちに愛着が湧く

 

また、DLC自体の出来についてですが、本編の値段と比べると若干ボリューム不足を感じますが、クオリティについては遜色の無いものに仕上がっています。

先に述べたストーリーの完結部の他、ボスラッシュなどの”あったらいいな”系のボーナスコンテンツが詰め込まれており、やり込み要素が着実に拡充されています。

面白かった点としては、本編では終盤まで装備・スキルが出揃わない関係か少々控えめになっていた戦闘バランスがかなり強化。本編ではどちらかというとギミック色が強かった印象ですが、更にアクション面の要求が強くなっているように感じました。

まあ、本編ラスボスはHPリジェネをガン積みすると大変悲しいことになっていたので、戦闘面のシステムをきっちり活用しきるボスが設計されたということですね。

そこそこの回数リトライが必要になったので、倒しがいがあって満足感を感じられてヨシ。

 

どうしてぇぇぇぇぇ

さて、基本的に素晴らしい作品だったのですが、システムの食い合わせのまずさというか、穴らしい穴もちょろちょろ見受けられます。

高低差が非常に分かりにくい場合がある

恐らく、このゲームをプレイしていると何回か遭遇するのですが、

足場渡りのパズルで、高低差がやたら判別しにくいマップが何か所か存在します。

これは屋内・屋外を問わず発生していて、特に3段階以上の高低差があり、かつ高低差のある地形が密集している部分で顕著です。

本作、自力で高さを変えるジャンプができない分、いけると思ってジャンプしたら引っかかって落下 -> 「?」ということが頻発します。

このゲーム、穴などに落ちたらジャンプ前にリスポーンしてくれるのですが、下手に下のフロアがあるとまた移動し直し、ということになるので結構萎える。

高さの確認自体は射撃線が反射するかどうかで見分けはつくものの、結局その場所まで移動してからでないと確認できないのがネック。

目的地から逆算してルート取りしていくことが大半なので、”現地にいけば確認できる”はテクニックであって解法ではないのですよね。

ただ、これはアートワークが騙そうとしてるとかではなく、見下ろし型の2Dでこのようなマップ描写をすると、どうしても紛らわしくなってしまう部分があるな、という感じなので、慣れるしかないのかなぁとも思ったり。

 

射撃アクションの自由度が高い反面、ボールパズルの解答が少々強引な場合がある

これもある程度自由度の高いアクションを絡めている以上仕方のない部分があります。

大抵の部分は、カメラワークで誘導するようになっていたりするので、然程問題にならないのですが、

ボールの射程が無限射程になっているせいか、”それで正解なんか!?”という位置取りが必要だったり、あるいは射角が非常に限定されている場合がちょいちょい見られます。特に屋外。

特に視線誘導無しで細かい射角の制御が必要な場合は、合ってるのに”解除できないので違うのか?”となってしまいがち。もう少し誘導を強めるようにしてくれると嬉しかった箇所が何か所かあります。

 

宝箱の中身が見合ってないこと多すぎない?

このゲーム、普通のRPGなら道中にポツンと置いてあるような宝箱は、ほぼほぼありません。

代わりに、宝箱それぞれに何かしらのパズル要素が設定されていて、宝箱はその報酬というのが基本的な位置づけ。

なのですが、パズルゲームとRPGを混ぜた弊害として、宝箱の中身がなんてことないものでもパズルが必要、という少々面倒臭いことになっています。

しかも、宝箱の中身は概ね半数くらいは山ほど取得できる雑魚敵のドロップあるいは環境オブジェクトの破壊ドロップで構成されてるので、単純に報酬の期待度だけ考えると宝箱を見てもあんまり嬉しくない。

なーんてのが中盤くらいで分かってきてしまうのです。

 

そのうえ、ストーリー進行で開錠できるようになる鍵付きの宝箱が3種類ほどあるので、余計に面倒に感じる部分があります。

これら鍵付きは対応する鍵が無いと開けられないのは当然のこととして、マップに自分でマーカーをつける機能こそあるものの、宝箱のマーカーは1種類しかないため、新しく開錠できるようになってもマップ上で区別できないので適切なタイミングで拾いにいくのが非常に難しい。

さらにはダブルパンチとして、中盤くらいでゲーム中最大規模かつ到達時点ではどうあがいても解除できないギミックで満ち溢れた「ガイアの園」がでてくるのも宜しくないところです。

遠回りしていざ進んでみたら、ギミックで通行止め、鍵がかかっていて結局開けられないでは、もう全部後回しでいいし、なんなら無視しちゃってもいいんじゃない?となりかねないです。(私は後回しになりました)

メトロイドゼルダ的な”探すこと自体、解くこと自体が報酬”という側面が強いのは分かりますが、ここはもう少し何とかならんかったかなと思うところです。

 

まとめ

良作です。

マイ パズルアクションゲーム ランキングを作るならTop5に入る完成度、面白さ。

最初にプレイした時にはいなかった(はずの)NPCやサブクエストが想像以上に追加されており、2周目にも関わらず新鮮な気持ちでプレイすることができたのは儲けものでした。

ただ、やっぱりパズルゲーム部分がゲームの半分くらいをもってってるので、1回クリア済みの本編は少し苦しい部分もあったのが残念ポイント。パズル系はなんだかんだ初見が一番面白い。

人気が出たからこそのDLCだというのは分かるのですが、アクションゲームだと気軽に復帰しづらいのは辛いところ。

 

半分愚痴みたいなまとめになりましたが、ハマれる作品なのでお勧めですよ。

体験版も出ているので、是非お手に取って試してもらえたら。

ではでは。