お久しぶり、こんにちは。sitaranaです。
なんだ5月は一本も投稿してないじゃないか・・・と今更気づいたのですが、
勿論サボっていたわけじゃありません。
ほら、あと2週間後にEldenRingのDLCが出るので新キャラ(筋バサ)作ってたら、ねえ。
ところが思ったより早めに整っちゃったので3週間くらい、どうするかなーと積みゲーを眺めてヒットしたのが今回のお題「SANABI」です。
なお作中テキストからすると読みは”サナビ”ではなく”サンナビ”のようです。
奈須きのこ氏も称賛する本作、個人的にはワイヤーアクションものというので注目しておりました。
あとNEOWIZパブリッシングのは外れを引いたことが無い、というのもあって期待大。
プラットフォームはSteam、v1.3.32、コントローラにてプレイ。
プレイ時間は初見約10時間(難易度: ベテラン)、2周目12時間ほど(難易度: レジェンド)。
よろしくお願いします。
ニューワイヤーアクション
本作はトレーラーを見て分かる通りにワイヤーアクションを主軸に据えた2Dプラットフォーマーです。
片腕がフックマシンの義手になっている主人公を操作して、ギュインギュインとステージを駆け抜ける。
ある意味で、速度の緩急の感覚はソニックなんかに近いような印象を受けました。

さて、本作のワイヤーアクションは、ワイヤー出して慣性で移動するだけ・・・ではありません。
というのも、地形へのフックの他にスタイリッシュにキめるためのアクションが揃っているからです。
・敵をターゲットして瞬間的に近接して攻撃
・ワイヤー移動中に慣性をブーストして加速
・ワイヤーを巻き取ってワイヤー長を調節、高速移動
特に2つ目の慣性ブーストが肝で、逆上がり染みた挙動で縦に横にスパスパ飛び回るのは気持ちいいの一言。*1
当然のこととして、飛び回っている最中の慣性もきっちり乗るため、移動から移動を途切れなく進むと爽快感が増すこと間違いなし。
アクションの軽快さもさることながら、本作ではワイヤーアクションの操作性に対するちょっとしたテコ入れも入っています。
それは”ワイヤー射出先のオートエイム機能”です。
この手のワイヤーアクションものの宿命として、コントローラ操作が独特になりがちという課題があります。
自キャラの操作に左スティックを使う以上、ワイヤーの射出先を指定するのに右スティックを使うことになるわけで、両スティックを同時に動かすというのはなかなか他のジャンルでは馴染みが薄い要素でしょう。本作でも右スティックでワイヤーの射出先を指定することができます。
そういう意味では、射出先の精密性という意味でもキーマウ操作が最適になりやすいところですが、キーマウ操作が最適で通るとコンシューマ機が辛くなる。
本作は、このあたりの対策として、ある程度のオートエイムと右スティックでの照準時はスローモーション化するという方式になっています。
まあ、オートエイムは地形が複雑になると割とガバることも多めなのがたまに傷ですが、それでもワイヤーの射出・切り離しに集中できるのはかなり嬉しいところ。
ステージの駆け抜けから、道中雑魚、ボス戦などシチュエーションも豊富に取り揃えられているため、思う存分楽しむことができました。

↑進入禁止エリアは勘弁してくれな!
キッチリまとまったストーリー
もう1つ特筆すべき点として、本作はかなりストーリーがきっちりまとまっています。
これくらいの規模の作品だと尻切れトンボになるか、添え物として邪魔にならないフレーバー程度に収めることが多いのではないかと思いますが、
間違いなく、ストーリーは本作の魅力の1つとして確立しています。
ジャンルとしてはミステリー寄りのSF、という感じでしょうか。
攻殻機動隊とか、そういう感じのサイバーな雰囲気に「サンナビ」という作中キーワードをドーンと前に出してくるミステリー的な置き方。
復讐を誓う父親という分かりやすい出だしから、
相棒役の現地協力者との合流、進むほど謎を呼ぶ展開、分かりやすく散りばめられた伏線がある時点でひっくり返るカタルシス。
起承転結がはっきりした、良質の短編アニメを見ているかのようでした。
しかも登場キャラはそれぞれはっきりしたステレオタイプなのも分かりやすいところ。これくらいの規模にまとめるなら?という視点で配慮されているのでしょう。
加えて、ピクセルアートが動くこと動くこと。
謎が謎を呼ぶストーリーに軽妙な味のあるキャラクター、要所要所で嵌まった演出が差し込まれることで、早く次のステージを攻略させてくれ!という思いと同じくらい、次の展開は?と気になってしまいました。

↑ほの暗い復讐、という印象を演出からもプッシュしてくる。いいねぇ

↑娘ちゃんビーム。キャラの魅力を引き立たせるために力を入れる場所を分かってるな!
締めのラーメンが欲しい
大体満足度の高かった本作ですが、ちょっと残念だったのはラストの展開。
アクションゲームとしては、最後に集大成的な難易度の高い関門を用意しておいて欲しいところですが、ちょっと味気なかった。
いや、”集大成”という意味ではきっちり押さえるところは押さえてるし、ストーリー的にも格好がつく・・・というか、ラストでコンティニューしまくったらちょっと感動がアレだなと思わなくもない。
なので、エンタメ作品の終わりとしては正しかったのだと思います。
ただ、ロックマンとかで見るような”正真正銘最後の関門”みたいなアクションとしての作品をきっちり締めくくってくれるようなのが欲しかったなぁ、と思うのです。
実の所、2周目をプレイしたのもワイヤーアクションが好きというのもありますが、若干の消化不良感があったから、という部分があったように思えます。
まとめ
良作です。
2DアクションとSFに拒否感が無ければ、是非ともプレイしてみてください。
初見プレイとしては難易度ベテランがお勧めです。
ワイヤーアクションものはなんだかんだ高速なうえに、慣性制御の観点から細かく制御しようとすると途端に難易度が上がる傾向にあるので、ダメージポイントが大量にある本作だと何だかんだちょろちょろダメージを受けがちです。
対して、直接的な死因としてはダメージの蓄積よりも落下死などの即死で死ぬことが多めで(大抵連続でダメージを受けるような場合は、抜け出せなくて結局死ぬパターンが多い)、これは難易度を下げても解消されないので、多少被弾する緊張感を感じられるベテランが良さげ。
ではまた。