新年度あけましておめでとうございます。
sitaranaです。
急に温かくなってきたので半纏を手放せると思ったら、まだちょっと肌寒い今日この頃。
少し寒いならホットな話題で暖まりましょう。
発売前からオウガバトル64に似た編成システムとのことで気になっていたタイトルです。
絵柄がきれいなヴァニラウェアのソフトを1回やってみたかったというのもあるので、渡りに船。
プラットフォームはNintendo Switch。クリア時点でver1.03。
難易度は最初Tactical -> 途中からExpert。難易度変更できるって教えてくれた後輩に感謝。
プレイ時間は全クエストクリア状態・InGameTimeで大体111時間くらい。
いつもはスクショを貼るところですが、今回はSwitchから転送するのが面倒なので割愛。ご容赦を。
よろしくお願いします。
ジャンルとか、そういう話
伝説のオウガバトル、あるいはオウガバトル64あたりの編成システムを主軸に据えたステージクリア型のSRPG。
ユニットという最大5人で組む小隊をいくつか編成し、ステージボスを撃破することでステージクリアとなる、という形式です。
ユニットに組み込めるキャラクターは、職業としてのクラスがあり、クラスの特性を組み合わせて弱点を補完したり、逆に強みを重ねてみたり。
攻撃は強いけど打たれ弱いキャラクターがいるから、かばえるタンク系のキャラクターで補おう、とか
1人が攻撃したら連動して攻撃するスキル持ちで固めて一気呵成に攻め立てよう、とか
そういったRPG的な組み合わせのパズルが楽しめる作品です。
触った感覚で言うならば、最近の作品で言えば、Symphony of Warあたりが似ているように感じますが、実のところ、どちらかというとファイアーエムブレムに近い印象があります。
というのは、この編成システムによる相性がとにかく極端なのです。
例えば、先ほど挙げたタンク系のキャラクターですが、作中では重装系と分類され、生中な物理攻撃がほぼほぼ通りません。
どれくらい通らないかというと、HPが50とかあるのに1ダメージしか通らなかったりするのが日常光景。
これ以外にも、騎馬系にはダメージ2倍だの、回避率高いが極端に高いだの、各々のクラスごとに強いことがバリバリに並んでいます。
じゃあ最強じゃん?というのに対しては、重装系特攻などの分かりやすい特性からスキルの特性から刺さることが分かるなど、とにかくクラス間のメタが激しいことが解消しています。
従って、”この編成にしておけば万全”ということがほとんどなく、手持ちのメタをうまく考えて攻略していく、というのが本ゲームの根本部分と言えるでしょう。
いや、本当にこの部分よくできていて、プレイヤーの好みで採用不採用が分かれるところもあるでしょうが、クラス間でほぼ役割の被りが無いというのは練り込みの凄まじさを感じます。
ならば、オウガバトルライク+FEの味付けか?というと、本作はもう1つ味付けがあります。
それは、各キャラクターのスキルの使用にあたって、作戦という名の条件付けが設定できることにあります。
前提として本作での戦闘は予めキャラクターごとに設定された条件付けによりオートで実行されるのですが、この条件付けを作戦と言います。
これが結構細かく設定できて、スキルごとにHPが50%以下の味方をかばえだとか、デバフ状態でない敵を狙えだとか、まあ色々できるわけです。
そして、細かく制御できないからこそ、上手くハマった時が気持ちいい。思考パズルの醍醐味ですね。
また、ステージでユニットに攻撃指示を与える時に戦闘結果が表示されるようになっているのは面白いところ。
戦闘直前でも配置や作戦の変更によって、カバーできると同時に、自分の編成がちゃんとかみ合ってるのか?というのがダイレクトに反映されてしまうわけですね。
この表示にはランダム性が一切なく、その結果が表示されたまま戦闘すればその通りの結果になります。戦闘直前でも配置変更や作戦変更ができるため、多少のアドリブは効きますが、マグレは起きません。
これを良いと見るか悪いと見るかですが、個人的にはOK。そして、このゲームがどこまでも編成をぶつけ合うゲームだという方向性なのだとはっきりさせているものだと思います。
良いところもあれば、物足りないところもある
本作はぶっちゃけると、ほぼほぼ編成部分で全て決まると同時に、SRPGでよくあるステージ内イベントやギミックがあまりない、よく言えばシンプルで悪く言えばかなり単調な構成になっています。
従って、ステージが始まった段階でボスが倒せるかどうか分かってしまうし、どのようにステージ内を進軍すべきかもはっきり分かります。
加えて、その癖相性が極端なので、やりようによっては10レベル差くらいだったら覆すこともざらに可能。
となると、どうしても難易度的にはヌルいという評価になります。
マグレがいろんな意味で起こらない分、編成を考えるのがほぼすべてで、ステージが始まった時には既に決着はついているというSRPGにしてもかなり極端な性質を持っているので、人によっては不思議な感覚となるでしょう。
また、リニアに見せかけたソフトキャップが悪い方向に働いているのは、バランス調整として少し目につくところ。
本作は半分フリーシナリオ形式で進行できるようになっていて、序盤のコルニア解放からは主にエルヘイムとドラケンガルドに分岐することができます。
しかし、エルヘイムとドラケンガルドでは明らかにドラケンガルドの方が推奨レベルが低く、ドラケンガルドを先に攻略するのが推奨と見て取れるにもかかわらず、
コルニアの残った北部地域を開放すると丁度エルヘイムに突入できるくらいのレベル帯になってしまうのですね。
ここでエルヘイムに進んでしまうと、後からドラケンガルドに戻ってきたときにひたすらレベルの低いステージを淡々と攻略することになり、非常に虚しいことになってしまう。
もう少し極端なレベル差を設定するか、攻略地域数によるレベル調整が入ってくれるとよかったのにな、と思うところです。
どちらかというと、という話
しばらくプレイして驚いたのは、SRPGというジャンルにも関わらず、愛好者よりも初めて触る人の方がとっつきやすそう、という印象があったことだった。
まず、最高難易度*1でも極端に難しすぎないこと。
それでいて、ユニットの相性が極端なので何も考えずにクリアとはならない匙加減は絶妙。
そのうえで、本作の複雑さはユニット編成に集約されている、というのが大きい。ステージが始まる前も後も、基本的には如何に相性有利なユニットを編成してぶつけるか、ということが考えることの中心である。これに地形効果だなんだ、と複数要素との掛け算が絡んでくるのがありがちだが、そういった要素はなく、目の前の複雑さに集中できる単純さがある。
加えて、新クラス登場に合わせて編成のフリーミッション形式の戦闘が配置されているのも嬉しいところでしょう。なーんか上手いこといかないな、という時にこういうレシピがあるよ、とちゃんとフォローが行き届いているのは初心者・玄人どちらから見てもありがたいことです。
2点目に、ストレスフリーであること。基本システムからして、ほぼどこでもセーブできるし、ロードもできるし、早送りすらある。
ステージにしても、節目のステージ以外は短めのものが中心であり、手を付けやすい。ガッツリデカいステージもあるので、緩急があるのもよいところ。
更には、戦闘システムにおいて戦闘結果の戦闘前予報があるのも敷居を低くしている。
相性が極端な分、ほんの少しの掛け違いで壊滅することも多くあるだけに、”コレとアレをぶつけちゃダメなんだな”というのが分かりやすい。
試行錯誤はSRPGの華だけど、長丁場が用意されやすいく、やり直しが面倒という印象は他のジャンルに比べて強く、敬遠されがちな点だと思うのでよくカバーされていると感じた。
最後に、ゲームシステム的にもシナリオ的にも変な捻りがない、ということ。
先鋭化したジャンルにありがちなこととして、何かしらの特色を出して差別化しようというのは極々普通である。しかし、そういった作品は往々にして”一般には受けが悪い”ことも多い。
そういう意味では、本作は非常に無難な構成と言える。
シナリオにメタ的な展開はなく、キャラクターも好感の持てる範囲で踏み込み過ぎない描写がされている。ステージなんかでも、多少のフレーバー的なギミックこそあれ、事前予測が難しい仕掛けはほとんど盛り込まれていない。
このため、変に詰まったり感情が拒否感を起こすことは少ないように思われる。
ステージの攻略順次第では、ちょろちょろ会話パターンが変わったりするのも、自分のやったことが影響しているんだな、という実感を抱きやすくてよいでしょう。
・・・
ただ、裏返すと難易度が物足りないとか、山も谷もないシナリオだとか、諸々の不満点に直結しているのは然もありなん。
自分も捻くれちまったということですね。
述懐はともかく、コアとなるゲーム部分がはっきりしているのは良いことだと思います。
まとめ
良作です。
まさに編成相性ゲーという一点突破で良く練られたバランスが素晴らしい。
反面、難易度が上がってもあまりきつく感じないのは、相性バランスがきついせいもあるのが難しいなぁと思ったところ。編成がかみ合ってれば10レベル差くらいは十分巻けるので、縛りで調整するにしても塩梅が難しい。
あと、結婚システム。長く付き合うことになるキャラが多いので、お気に入りを選択できるのは嬉しい部分。その分、1キャラごとの台詞量は薄味ですがフレーバーを楽しむのが吉というもの。ヤーナ様ー!
*1:1周目基準