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己のゲーム遍歴 あるいは 感情のパンくず

「ロックマン ゼロ & ゼクス ダブルヒーローコレクション」レビュー part1

こんにちは。

冬はどうにも気力が湧いてこないsitaranaです。

会社行ってるうちはまだマシなんですが、自宅だと過食 & 過眠傾向に抑えがきかない。

メロンパンおいしいです。

 

というのはさておき、本日のレビューは「ロックマン ゼロ & ゼクス ダブルヒーローコレクション」から「ロックマン Z(ゼロ)」をレビューします。

ロックマンというと新作が出たというよりも、過去作のリマスター/バンドルの印象が強くなってきたこの頃。

本作もロックマン ゼロ及びゼクスシリーズをまとめたものです。

難易度が高いと評判のゼロシリーズですがはたして?

 

プラットフォームはSteam。プレイ時間は約10時間。1周目クリア、アシストセーブ機能未使用。

よろしくお願いします。

 

どんなゲーム?

本作は、ロックマンシリーズ王道の横スクロールアクションゲームです。

ロックマンは作品系列ごとにIfのパラレルワールドになっていますが、その中でロックマンXから分岐した世界が舞台、のようです。*1

そしてタイトルに出てくる通り本作は「ゼロ」が主役です。

X4あたりでXとゼロのダブルヒーロー制をやっていた記憶がありますが、本作はゼロの単独ヒーローですね。

 

では、ロックマンXとの違いは何か?というと、やはりゼロの部分となるでしょう。

ゼロといえばサーベル。Xがバスターを主体にした射撃がメインであることとの対比でもあります。

バスターが撃てない、というわけではなくバスターも武器種として存在していますが、

攻撃力が バスター < セイバー というふうにバランスが取られているため、

プレイするほどバスターよりセイバーを使う機会の方が多くなるのではないかと思います。

また、本家よりもゲームスピードが速い印象です。特に移動速度とステージの描画範囲的にバスターが機能しづらい、という面もあります。

字面だけだと説明しづらいのですが、とにかくキャラの機動力に対して描画される範囲が狭いので必然的に近接戦になりやすいのです。

イメージ的には濃霧の中で自動車を運転している感じ。ちょっと画面スクロールしたら敵がホイホイ出てくる割に、描画範囲が狭いおかげで接敵まで全然間がない。

そして、描画範囲外の敵には攻撃判定が発生しないこともお約束。

戦闘レンジが近接寄りになっているので、近接武器の方が使いやすいんですね。

 

その上で、ですが。

本作はアクションであり、ゲーム内でタイムアタック要素があります。

具体的にはステージのクリアタイムが評価項目として存在しています。

初見で目指すものではないですが、高評価を目指すなら、ステージを高速で駆け抜ける必要があり、上記の画面描画範囲の狭さも相まって、

高速アクション x 覚えゲー という方向性がより強くなっています。

 

難易度が高い?

Yesです。

いくつかのポイントがあります。

 

第一に、序盤の関門を越えられるかどうかという点。

具体的には、チュートリアルとなる序盤の固定2ステージを越えられるかどうか。

というのも本作。私のプレイ時間を見て分かるように、ステージ数などのボリューム自体は控えめです。

ではボリュームがそうでもないのに難易度が高いとどうなるか?

そう、プレイヤーが慣れるまでの習熟期間にあたる部分があんまりないのです。

ダッシュジャンプ、壁蹴りはできて当たり前。敵の攻撃を避けるのか、それともゴリ押しするのが正解なのか?といった状況判断。

このあたりを、チュートリアルから求められるのが大分シンドイ。

↑画面の狭さも相まって、攻める・避ける・守るの判断が難しい序盤の壁

 

第二に、ボスの撃破で完結しないステージがそこそこある点。

ロックマンのテンプレとしてはステージの最奥にボスがいて、それを倒すことでステージクリア、という構成がメインではないかと思います。

本作はそこから変形して、ボスを倒したら脱出ミッションが連続で発生する、といった構成がちらほら発生します。

別にボスが弱いから故の構成ということもなく、単純にセットになっている感じです。

このため、初回のステージ突破が辛めになっているパターンがあります。

ボス自体は実は対処方法が分かっていれば結構ノーダメージで突破可能だったりするので、慣れてくればどうとでもなる範疇ですが、

それが初回突破時に適用できるかというと、んなこたぁないのです。

一応残機制のため、残機稼いでおけばリトライできますが、今風にリメイクされるのであれば、分割ミッションあるいは固定残機制になるような気がします。

 

第三にですが、人によって気にする気にしないが分かれそうですが、

本作は割とプレイヤーを煽ってきます。

具体的には、

 

だったり、

 

であったりです。

マケイヌ、マケイヌってあーた・・・

特にサイバーエルフは救済要素なんですが明らかに使うのを躊躇わせるフレーバーが設定されています。

ゲーム設計的に難易度高め & 慣れてくると短時間で周回可能、という性質のため、徐々にサイバーエルフを使わないでもクリアできるようになっていく、ということを狙っているのだと思うのですが、初回で使わせることを思いっきり躊躇わせる方向なのはちょっとどうかと思う。

ストーリー的には1周分で完結する構成のため、そこまで周回するモチベを持つ人がどれだけ残るだろう?と思うのです。

ぶっちゃけサイバーエルフで補強するとかなり難易度が緩和されるのですが、セルフ縛りしちゃう人も多いんじゃないかなーと。

 

ではマゾゲーなのか?

Noです。

というのも操作に習熟すればするほど本作は如実にタイム・被ダメともに改善されていくのが実感できます。

つまるところ、操作の熟練度と敵への対処に共通したセオリーがあって、失敗を次の機会に生かすことができる、というアクションゲームの楽しさの大前提がかなりストレートに表れてくるのです。

先に述べた通り、ボス一体一体あたりは、基本操作に慣れていさえすれば実はノーダメで突破するのもそう難しくない程度。

悪く言えば大味ですが、初期ライフが少ないのも割と納得と言えるくらいです。

故に、問題なのはやはり難易度曲線でしょう。

慣れればヨイヨイ、慣れるまで大変、を地で行く作風と言えます。

 

また、私は使用しませんでしたが、本コレクションではアシストセーブ機能が実装されています。

端的に言ってしまえば、ステージ内にチェックポイントが実装されたようなものです。

ステージ制 & 残機制のデメリットとしては、「難しいところで詰まるとステージ全体をやり直さざるを得ない」「難しいところを集中して練習することができない」結果として飽きてしまうことがあります。

難易度を感じられつつ、難しいところに集中できるように現代的に追加された良い機能だと思います。

このあたりはリマスターにあたって「つまづきやすい」という意見もあったのだろうなぁと思われます。

 

まとめ

良作です。

横スクロールアクションとしての完成度は非常に高いです。

しかし、設計が昔の作品なので、そのあたりを飲み込めるか、というのは関門となるでしょう。

ただ、「ロックマン ゼロ & ゼクス ダブルヒーローコレクション」のうちの1作なので、本作で積んで経験は次作をプレイする際にそのまま生かすことができます。

1作をひたすら熟すのは厳しいですが、ゼロシリーズを通しでプレイしていく、ということならばボリュームの物足りなさもストーリーを追う一環ということで触れやすいのではないでしょうか。

 

*1:例えば、"エグゼ"の世界はロックマン以前でロボット工学よりネット技術が発達した世界という設定だったり