こーんにちーはー。
先日ぶりくらいのsitaranaです。
短いペースで投稿しようというモチベーションは無かったのですが、プレイしたタイトルがタイトル。
映画的というか、一気にプレイしちゃった方が感動できる内容だったので駆け抜けました。
ということで、タイトル公開。
今回のレビューは「OuterWilds」です。
英国アカデミー賞ゲーム部門を受賞してるそうですよ。
プラットフォームはSteam, v1.1.4, プレイ時間は約25時間。
よろしくお願いします。
スペースプログラムへようこそ!
本作はSF(Science Fiction)をテーマとした3Dアクションオープンワールド、そして探索ゲームです。
SFと一言で言ってしまうとジャンルの幅が広すぎのでもう少し狭めると、本作は宇宙、そして量子物理学あたりが主要なテーマとして扱われています。
宇宙で惑星探査というと最近ならStarFieldあたりが思い浮かぶところですが、本作は広大さというよりは箱庭的にデフォルメされた"小さな宇宙"で展開されていきます。
↑ミニマップ上の天体も時間経過の影響がちゃんと反映される凝りっぷり
そしてこの宇宙の表現が衝撃的というのが大きな魅力の1つ。
例えばこんなロケーションがバンバン出てくるわけです。
こんな世界の終わりか?と言いたくなるような遠近感の狂ったようなスケール、圧倒的な未開拓感。
重力の概念もちゃんとあり、↑の画像の惑星なんかは重力が弱めの星なのでジャンプするだけでやたら高く飛び上がれたりします。
その気分はまさに地獄へ向かってダイブ。
実際にプレイしてみると分かりますが、下腹部がヒュッとする気持ち悪さすら感じます。
このあたりは序の口で、崩壊寸前の惑星だったり何だったり、その場所を訪ねること、それそのものがご褒美となるような絶景の連続で構成されています。
ただし、そもそも人類が存在しない世界、人の手の及ばない世界が主軸のため、人によってはストレスを感じるかもしれません。
私は見たことのない景色への期待と地球上とはかけ離れた情感との狭間でグラグラと心が揺さぶられておりました。
また、"小さな宇宙"と表現しましたが、内容が少ないという意味での小さいではなく、全体的にスケールが縮小されている、という意味合いです。
例えば、普通サイズの惑星なら数分で南極から北極まで踏破できますし、惑星間の距離も精々数十km単位でしか離れていないなどです。
体験の新鮮さという意味ではこれは大正解。
新しい場所に行けば、とにかく新しい何かに出会える。そんな体験が約束されています。
謎に満ちた恒星系
宇宙SFものとして魅力があることを触れましたが、本作はウォーキングシミュレータ的なものではなく、歴とした探索ゲームです。
それもかなり明確な目的があるタイプ。
その目的とはタイムリープの原因を解き明かし、脱出することです。
その中で異星文明のあれこれを追っかけたり、先駆者たちと交流したり、はたまた謎物質に遭遇したり。
大体1周が20分程度。
その中でタイムリープの原因・真相を解き明かすために東奔西走、上下自在と駆けずり回るのがメインルーチン。
持っている道具はアクションを補強するものはなく、スーパー翻訳機とか、どこに打ち出しても紛失しない偵察機とか、その程度のもの。
プレイ感覚としてはポータルとかが近い感じ。アクション精度でゴリ押していくのではなく、適切にギミックを解いていくことが重要なパズルゲームといった塩梅。
さて、1周20分くらいと言いましたが、
過酷な宇宙でそんなに長く生き残れるとお思いですか?
そう思ってるなら大分甘い。マシュマロを焦がして発がん性物質うめー!とか言い始めてるくらいに甘い!
↑焼きマシュマロ美味しいよね
酸素がなくなって死に、デブリに衝突して死に、間違って太陽に墜落して死に、よく分からんものに押しつぶされて死に、
とにかく宇宙は危険で危ないのです。
↑酸素が!酸素が!死因によって、次ループの目覚め時の反応も微妙に変わる。死ぬことはやっぱり前提か
まあ、実の所、致死率が高い理由の半分くらいはアクション面の不自由さ、というかコントロールの難しさに起因しています。
FPS視点であるうえに、全体的に無重力や重力の薄いところを中心に探索することになるので移動のベクトル制御が地上を前提とした人類からするとなじみが薄い。
グラビティデイズとかエースコンバットのような視点が回るレベルでの三次元機動への習熟を必要とするうえに、宇宙ではお約束の相対速度の概念が頭に入れておかないとキツイ。
加えて、地上を歩いているようなケースでもジャンプそのものがふわっとしているというか、ブースターの補助付きジャンプがメインなので慣れが必要。
しかも重力の強度が惑星によって異なるので、ジャンプの感覚もそれぞれ調整の必要ありという始末。
そんな死因いっぱい、注意一生怪我一秒の世界で尚もくじけず駆け抜ける原動力足るものは何か?
それは作中で折に触れて諭される探求心に他なりません。あるいは、好奇心。
本作での手がかりの形式は芋づる式というよりは網の目状に散らばっています。
このため、手がかりのとっかかりも含めて自らがどこかを探索し始めないことには、にっちもさっちもいきません。
だからこそのカタルシス・感動ではあるのですが、向き不向きがはっきり分かれるところではあるでしょう。
それはそれとして
好みの分かれるところは別として、本作の悪いところを挙げるとすれば、それは探索ゲームというジャンルとしての欠点に近いところかもしれない。
- 謎同士がつながり、結末に向かっていくのはよいのだが、肝心なところの"気づき"でコケてしまうと進まなくなってしまう。一日寝かして発想を転換することも大切
- ループ間の演出が若干長く感じる。約10秒~20秒ほど。数回ならまだしも何十回もループすることが前提の作りだけに、ちょっと長めに感じる。マップのリロードなどを行っているのだろうが、もうちょい短くしてくれると嬉しい
- そのループでやるべきことに失敗した時にすぐさまリトライしたくなるのだが、簡易的にループをリセットする方法(ぶっちゃけ自死の方法)がなく、環境によっては自殺そのものが手間なパターンにそこそこ遭遇する(脆い空洞君、君のことだ)
- 全体的に静かな作風であり、話の起伏、つまり山や谷というものがほとんど感じられず、若干肩透かし気味。一本調子気味というか。このような謎解き系のアドベンチャーは初めてプレイしたのだが、こういうものなのだろうか?
- 話の根底に量子物理学の寓意が散りばめられているため、これについていけるか、あるいは適度に咀嚼できるかで話の理解度が大きく変わる。そのことが分かってくるのが中盤以降なので面食らうこともあるかもしれない。少しハードSF気味
まとめ
良作です。
話のコンテキストとか含め、間違いなく好みの差がでる内容ではありますが、
宇宙探索ものとしてよくまとまっており、ノリについていけるなら熱中できる濃さがあります。
多分OuterWildsって、普段の我々が比較的身近に感じるニュートン力学とかの世界から外れて見える量子物理学を"外側"と表現しているんじゃないかと。
個人的には、チマチマ進めるよりかは、一息に堪能しきることをお勧めします。
・・・ところで今さっき気づいたんですが、DLC部分攻略してないですね。
また宇宙に飛び立ってきまーす。
DLC「Echoes of the Eye」について
2024/01/27追記::
思ってたのの3倍ボリュームがありますねえ!プレイ時間は13~4時間くらい。
内容は答え合わせ・表紙の裏と言ったところ。
おそらくは、背景設定として存在していたものをまとめ直した・・・という感じだろう。
それくらいきれいに話がまとまっている。
ゲーム内容としては、本編よりも謎が謎をしているのは好みが分かれるところ。
個人的にはスニーキング要素がなかなかきつかった。(操作難易度の面で)
最終盤の演出はドストレートで好み。不意にそこだけ涙腺がゆるんでしまった。異文化コミュニケーションっていいよね。
しかし、本編より謎解きの難易度が高めのきらいがあるので、1ループ20分というのが足枷に感じた時もちらほら。
詰まっている時は往々にして、”自分の頭が足りていないのか”あるいは”現状では手がかりが足りないから後回しにすべきなのか”の判別がつかないもの。
何度も同じ個所でリトライしているとスタートポイントから移動するのが段々面倒くさくなっていくというのは、このゲームのデザイン上致し方ない部分か。
また、スニーキングが単純に難しめの要素なので、”自分の操作技術が未熟なだけなのか”あるいは”回避策が用意してある類のものなのか”判別が難しかったのは明確にバッドポイントだと思う。そこを悩み、手段を選びとることも要素の1つではあるのだが・・・。
出来そのものは本編が好きなら、きっと満足できるクオリティ。
セールの時にまとめてカートにぶち込みましょう。いい夢見れますよ?