こんばんは。もうすぐ新年度ですね。
sitaranaです。
ヒットしたタイトルからフォロワーが生まれ、新しいジャンルが生まれていく今日この頃。
ソウルライクもその1つ。
思えば、私がアクションもいいもんだ、なんて思ったのはダクソ3をプレイしてから。
定期的にダクソっぽいものをプレイしたい!という欲求が沸き上がるので呪いみたいなものかもしれません。
本家はエルデンリングのDLC発売日が決まってめでてぇ!ですが、まだプレイできないのも事実。
そんな折、ライブラリにちらりと輝くタイトル。
まあ、そんなこんなで棚に積んでおいた中から引っこ抜いてきたというわけです。
タイトルは「Salt and Sanctuary」。
ソウルライクはよく聞きますが、2Dダクソとの評はあまり聞かない。その実態や如何に。
プラットフォームはSteam, v1.0.1.1b。プレイ時間は1周目約21時間、2周目(2キャラ目)約11時間の計32時間ほど。
よろしくお願いします。
2Dダークソウル
他の人と同じこと言ってるよ、この人・・・
と生暖かい目で見てください。
ただ、本作を評するにこれほど一言で表してすっきりくるものは他にないように思います。
本作は、ジャンルとしては2D横スクロール形式のアクションRPGです。
しかし、アクションでRPGならソウルっぽいとは言わないでしょう。
そこに戦闘が難しめ、となればソウルライクと呼ぶでしょうか?そのような傾向はあれど、それを2Dダークソウルと呼ぶ人は恐らく少ないでしょう。
本作が2Dダークソウルと評価されるのは、ひとえに篤い"ダークソウルシリーズのオマージュ”がふんだんに盛り込まれているからに他なりません。
例えば、キャラクリエイトには素性、贈り物があり、出身地の設定があり、
アイテムのフレーバーテキストとNPCの台詞回しで世界観を断片的に描写する手法を取っていたり、
とりあえず目的とかよく分からんけど、目の前の敵を切り倒して進めば何かあるんだな?となる放り出され感であったり、
サインを通じた緩いオンライン要素だったり、
あるいは、武器種が豊富で、派生系統に変質できる武器システムがあったり、
誓約がちょいちょい顔見せしてきたり。
ダークソウルシリーズをプレイしたことのある人ならば、”うんうん、それ(ダクソで)見たことあるわー”とするする納得する要素がそこかしこに盛り込まれています。
↑キャラクリ。デフォ素性が騎士というのも既視感
舞台にしても終わっちまってる雰囲気漂いまくりのステージ、
謎めいたことを言うだけ言ってくるNPCと、
こう何となく良くない方向に世界が傾いてるんだろうな、と予感させる匂いが素晴らしい。
ただ、ダクソダクソ言ってますが、オマージュ元は”フロムのソウル系アクションRPG”ともう少し幅が広いものです。
例えば、落命した時のソウル回収システム(本作ではソルトがソウルにあたる)は、ブラッドボーンですし、エリア間のつながりが強いのはダクソ1から、チェックポイントで補充される回復アイテムの他にインスタントな回復アイテムがあるのはダクソ2みたい、といった具合です。
↑ブラッドボーンよりは、どうやったら回収できるか分かりやすい
では、本作がダークソウルのフォロワーに終始しているのかと言えば、そうではありません。
まず探索要素は2D横スクロールアクションというプラットフォームに合うように、ジャンプアクションが追加されており、縦の動きに柔軟性が増しています。
これはどちらかというと、感触的にはメトロイドヴァニアに近いもので、ダクソであれば最初から最後までアクション自体の拡張は起きないのが通例ですが、本作ではアクションの追加もいくつか含まれています。
ダクソではキーアイテムで橋を下ろしたりワープしたり、といった部分が、新アクションで突破するものに置き換わっているわけですね。
これらの要素は、特定のエリアレベルを遮る”門番”だけでなく、アイテムを拾うのに活用する必要があるなど、本家とは様相が異なっています。
個人的にはアクセントとしてよいものだなと感じました。ただ、ギミックありきの部分があるので、一度ギミックを見抜けないと延々迷い続けるという目に会うのは注意点。(1敗)
↑あからさまにジャンプでは届きそうにない谷。しかし・・・?
また、戦闘においてはダクソ+ブラッドボーンのハイブリッド式の印象。
盾が非常に優秀で大型武器の両手持ちなどの要素がある一方で、サブウエポンとして銃・ボウガン種が用意されていたり、比較的スピーディなテンポで回避アクションを行えるようになっているのはブラッドボーン的な雰囲気を感じます。
そのうえで、いくつかの武器種には、同じカテゴリの中でアクションが異なる”仕込み武器”的な味のある用意がされている傍ら、方向入力と組み合わせて攻撃のバリエーション・コンボが存在するのも面白いところ。
同じ攻撃ばっかりでは多少単調さが出てくるので、これは嬉しいところ。
ただ、成長システムというか装備システムがダクソ系と異なるのは注意が必要なところです。
本作では成長はステータス込みでスキルツリー性を採用している他、武器の装備制限はステータス参照ではなく、スキルツリーから取得できる武器種に対応したスキルの取得が条件になっています。
例えば、直剣なら直剣クラス1、2を取得していくと上位の直剣を装備できるようになっていくという仕組み。
このため、ダクソならステ振りの傾向に応じて、ある程度傾向の似た武器なら武器種を跨いで装備することができましたが、本作ではそこに強めの制約が入っています。
一応、クラス0というスキル無しでも使えるので全く手を出せないということはありませんが、いろんな武器を使い回すのが好きな自分としてはちょっと寂しかったところ。
↑全体は武器種が多くあるだけに、そこそこ広い。が、隠さない系スキルツリーなので、最上位武器とかが半ばネタバレになっているのは少し残念
これらのような差分はあるものの、プレイしていて感じるのは”すごいダクソっぽい”というプレイフィールです。
明確な差分を持ちながら、オマージュした作品の雰囲気を感じさせる確かな感触。
まさにダークソウルを2Dに落とし込んだ、と評するにふさわしい作品であるように感じました。
私にはもう不要なものだ
全体的にはよくできているのですが、ちょっとなぁと感じる点も少し。
1つ目はサンクチュアリ周り。
本家ダクソでいうところの篝火 兼 火の祭祀場ポジションのペカー*1。
なのだが、ショップ機能や転送機能がデフォでないのが窮屈に感じる。ショップ機能や転送機能を付加することはできるのだが、有限の消費アイテム制なのだ。
消費アイテム制のため、特に序盤は入手頻度の加減が分からず、出し惜しみになりやすい。その癖、1つのサンクチュアリに設置できる機能数に制限があり、全機能を集約することもできない。結局、2つのサンクチュアリに転送機能+その他機能を分散配置するだけなので、あまり意味があるように感じない。
あるいはRTAなどでの駆け引き要素の1つなのかもしれないが、デメリットしか感じられず面白さにつながるようには思えなかった。
2つ目に、全般的に大型武器種が有利すぎないか?という点。
ダクソ3あたりでは直剣が優秀と言われていた理由の1つに、大型武器種では攻撃を挟めないタイミングにも差し込めるので総ダメージ量が稼げるという面があった。
本作はその逆で、武器種によって前隙後隙の時間差はあるものの、ボスの隙の作り方がそれに対応していない。
近接に限った話になるが、どんな武器種でも差し込めない連続攻撃か、大型武器でも余裕で差し込めるくらいの隙か、といった具合なので単発火力が大きい武器の方が概ね有利な傾向になっている。
小型武器は片手運用が苦にならず、左手にボウガンなどの遠距離サブウエポンや盾を仕込むことができるので柔軟性に優れるというメリットはあるのだが、大型武器種は名前通り大きいので全般的にリーチも優れているというのが曲者。
小型武器も弱いわけではないが、もう少しメリットがあっても良かったんじゃないかと思う。
まとめ
良作です。
ただし、そこはかとない意地の悪さがダクソ2を彷彿とさせる感じがするのは気のせいだろうか。
マップ切り替えた先の見えないところから飛び掛かってくるエネミーとか、やたら集団で湧いてくるエネミーとか。
発売年を見ると2016年。ちょうどダクソ3が出た年と同じなのでもしや、うーむ。
ところで、これからプレイする人はエンチャをちゃんと使うことをお勧めします。
3より前の属性武器に属性エンチャできる仕様なうえに、基本的にエンチャ効果が割合上昇判定なのでムチャ強です。
先入観で大したことないやろ、とか高をくくってしまってすみませんでした。