NoOneLivesForever

己のゲーム遍歴 あるいは 感情のパンくず

メトロイドヴァニア今昔「メトロイド・フュージョン」レビュー

暖冬とか言ってたけど普通に寒いよ、sitaranaです。

 

先日のことなのですが、知人に

「Rabi-Ribiプレイしたんだ?」

メトロイドヴァニアだって?」

「(メトロイド)ドレッドは誘ってもやらなかったのに?」

「そういえば、SwitchOnline入ってたよね?」

「分 か っ て る よ な?」

 

と何気なく世間話を振ったら、オリジナルをプレイしてないことを盛大に詰められたので、「メトロイドフュージョン」のレビューです。

なんでフュージョンかというと、スーパーはちょっと古すぎてプレイするのがしんどかったからです。

 

プラットフォームはSwitch(Switch Online / 追加コンテンツ), プレイ時間は体感で13~4時間くらい。難易度はNormal。

いざ、よろしくお願いします。

 

メトロイドメトロイドであること

メトロイドヴァニアメトロイドヴァニア、とアクションやらローグやらと同じくらい頻繁に聞くジャンル。

本作はそのオリジナルのうちの1つ、メトロイドシリーズの1作です。

メトロイドヴァニアというと、パッと思いつくのは次のような点。

  • 横スクロールアクション
  • 隠しアイテムや隠し通路がある
  • ボスを倒す、アイテムを発見するなどして能力が拡張されることで、行動範囲が増える
  • タイムアタックとかアイテム取得率がスコア要素として存在する

 

本作はこれらの要素をすべて満たしています。源流なんだから当たり前か。

 

アクションとしては全体的に癖が強め。

通常攻撃が2種切り替えはよくあるタイプだとして、サムスの象徴、パワードスーツに備わったアームガンは進行方向とは別に上下左右打ち分けができてしまうし、

ジャンプの挙動はふわっとして初動が少し遅い感じ。

拡張アクション周りも結構独特だが、上記のアームガン撃ち分け、ジャンプ方向制御などなどが絡んでくると、ジャンプしているのにアームガンの構えモーションが入ってしまって飛距離が出ない、とか出てきてしまうので、かなり慣れが必要。

なので、慣れないうちは誤射に回避ミスが頻発する。このあたりはメトロイド伝統らしいので、慣れるしかないのは意外とシンドイ。

 

プレイして思うところとしては、現代で改めてプレイするには少々刺激が物足りない、というところ。

全体的にバランスがよく、説明の過不足もない。

マップも完備されていて、発見したアイテムの取得・未取得が一目で分かるようになっているのもとても親切だ。

行先のガイドが少々おせっかい気味に感じられなくもないが、探索要素はしっかりしており、隠し通路はそこら中にある。

ボスだって数度リトライする程度には難しさもある。

それでも物足りなく感じるのは、ひとえに要素のすべてがメトロイドヴァニアの基礎部分で構成されていて、その枠のうちに収まっていることなのだと思う。

インディーズも含めてメトロイドヴァニアは人気故に様々なフォロワーが存在しており、それらは原点であるメトロイドキャッスルヴァニアに更に独自性を追加していったものだ。

なので、派生作品から入った人間からすると、必要十分な味付けだけのシンプルな料理、という風に感じられる。

逆に言うとゲームシステムのコア部分はしっかりとしており、メトロイドヴァニアというジャンルに触れるのが初めてなら、易しすぎず難しすぎずの丁度良い塩梅なのではないだろうか。

 

ただ、隠し要素とかのオマージュ元を知れる、というのはオリジナルをプレイして嬉しいことの1つ。

Rabi-Ribiで壁蹴りが隠しアクションになっていて”なんで?”って思ってたんですが、これメトロイドが元だったのね。

 

昔気質の悪いところ

メトロイドヴァニアとしてのエッセンスはしっかりしているのだが、あえて言うなら”今風”でない部分が少々粗さを感じる。

 

1つ目は、探索そのものは楽しいが、その先で入手できるアイテムの配置バランスが少々よろしくない、ということ。

メトロイドヴァニアにおいて探索したことの報酬とは、能力を向上させるアイテムの入手というのが定番である。

本作では主に、HPアップ、サブ武器の弾数強化の2系統*1になる。

なるのだが、どうにもサブ武器の弾数強化は途中からあまり美味しくなくなってしまうのだ。

序盤こそミサイルは20発くらいしか持ち合わせていないのでありがたいものの、中盤くらいで100発を超えてくると”もう要らんわ”となる。

パワーボムに至っては、基本的に隠し通路開通用のギミックに近いので数があればありがたいと言えばありがたいが、強敵との戦闘で振る類のものでもなく、攻略に直接的に有利になるかと言えばそうでもない。

となるとHPアップが最も嬉しいのだが、HPアップはサブ武器の弾数アップアイテムよりは配置少な目。どちらかというと、レアの類である。

こうなってくると、探索した報酬の”当たり”率が終盤にかけてぐんぐん下がってきてしまうのだ。したがって、探索すればするほど、探索そのものが好きですという人以外には魅力が薄くなってしまう。

もしかしたら、あまり探索が上手くない人でも大丈夫なようにバランスが取られているのかもしれないが、能力拡張型のアップグレードはシナリオ進行で固定入手になっているだけに能動的に探索するモチベーションをもっと煽るバランスになっていてもよかったのではないか。

 

2つ目に、キーコンフィグが切実に欲しい。

最近Steamでしかプレイしてないから当然のように感じていたが、本作はGBA時代のもの。そこら辺があまり手厚くないのだ。

で、本作はA:ジャンプ、B:攻撃という割り振りなのだが、現代の4ボタン式コントローラだと個人的に非常に押しづらい。

コントローラを握り込んで遊ぶのに、主に使う2ボタンがコントローラの外側2ボタンなので、Bボタン押しながらチャージしつつ、Aでジャンプとかがしんどい。

コントローラを握り込むなら、Y・Bボタンあたりで割り振れるのがマイベスト。

ゲーム操作は習うより慣れろが基本であるが、GBAと比べてハードウェアが変化しているということもある。(GBAはLRこそあるが、ボタンはABの2つだけだった)

任天堂さん、是非エミュレータソフトにもキーコンフィグ機能つけてくださいませんか。本体弄るのはソフトの使い分けが発生すると面倒なので。

 

まとめ

現代基準でいうと佳作かなぁ、というところ。

基礎がしっかりしている優等生の雰囲気。

これを物足りなく感じるのは、メトロイドヴァニアというジャンルがそれだけ愛されてて洗練・発展してきたということの証左なのではないかと。

任天堂メトロイドの新作をなかなか出さなかったのも何となく分かるような気がします。

もうこのジャンルは優等生ってだけじゃやってけないってことなんでしょう。

 

なお、本作やって一番驚いたのはサムスの人物像だったりします。

もうちょい柔らかい感じかと思ったらクールな正義漢(女性だけど)だし、世界観からしてスペースファンタジーの語り口で結構固め。いや、歴としたスペースものなんだけども。

*1:弾数のあるサブ武器はミサイルとパワーボムの2種類なので、種別としては3種類