1週間ぶりにこんにちは。
sitaranaです。
ハイスピードアクションも、ゼロシリーズの大詰めにして折り返し。
「ロックマンZ4」のレビューでお送りします。
とりあえずサクッと通せるのは気軽でいいですね。
プラットフォームはSteam。プレイ時間は6~7時間くらい。クリア1周。アシストセーブ機能はOffです。
よろしくお願いします。
別方面に舵を切ったシステムバランス
基本的なアクション性は、やっぱりpart1を読んでもらえればと。
ロックマンZ1~Z4まで、その骨子は変わっていません。
no-one-lives-forever.hatenablog.com
さて、ロックマンゼロシリーズは、Z1からZ3までサブ武器をちょいちょい入れ替えて味変したり、カスタム要素を追加したり、システムの快適性を改善したりと、ブラッシュアップ重ねてきました。
本作、Z4においても、その方向性は変わらない・・・のですが、ちょっと調整が明後日に向いているような気がするような。
良いところと悪いところが混在していて、集大成とはちょっと褒めにくい感じ。
Exスキルは"頑張れば" 誰でも手に入るように
Z2から導入されたExスキル。
前作まで、取得可能な判定がステージのクリアランクに依存していたため、どうしても1周やってお終い!みたいなプレイヤーは、そもそも見ることも稀という希少生物みたいな扱いになりがちでした。
ボス特攻もエレメンタルチップに依存していたので、数が多い割に”なくても大丈夫”な立ち位置からどうにも動きづらい側面がありました。
(連鎖値システムの関係から、熟練者にとってはダメージソースとして活用できる側面もありましたが)
このとにかく初見で取得しづらいスキル群。
本作では、なんとステージクリアランクに依存せず取得できるようになりました。
具体的には、ステージ突入前に難易度を”難しい”側に設定しておく*1と、ボスを倒したときに取得できるようになりました。
このため、1周目で拝めるようになって万々歳。
雑魚プレイヤーでも、ロックマンX4で色々セイバー技を振るっていたのを思い返しながら遊ぶことができます。
種類もセイバー系4種、バスター系4種に分かれており、それぞれ使いどころはある感じ。
ただ、素直に喜べない面もあります。というのは、
はい。
Z3までエレメンタルチップに振られていた役割がExスキルに統合されました。
このため、
・チャージセイバーに属性が乗らなくなった
・Exスキルを取得しないと、ボスの弱点を突くことができなくった
・セイバー技は挙動が独特の場合があり、単純に特攻攻撃として運用しづらい側面がある
という、これはこれで扱いづらいことになっています。
特にチャージセイバーに属性が乗らなくなった部分がZ3までと大きく変わっている部分で、怯みを能動的に取りづらくなっていると考えてよいでしょう。
また、”難易度を上げないとExスキルが取得できない”は、初見でも取得しやすくなった、というメリットに対して、むしろ”難易度を上げて挑まないと対抗策の幅が狭まってしまう”というデメリットになったのはむむむ。
恐らくこの流れだと、レベルデザインとしては、天候を変えることでステージ難易度を”下げることができる”、というのが天候システムの趣旨なのだと思われます。
しかし、そうやって難易度を下げると、ボスに有効なアクションを取得できなくなってしまう。
この点、”Exスキルの入手しにくさの改善”とターゲットにしているユーザが衝突してしまっているように感じる部分でした。
ぶっちゃけエレメンタルチップは続投で良かったんでないかな。
サイバーエルフシステム
Z3でも使用すると死亡するフュージョン系のサイバーエルフが残っていましたが、
本作では、使用すると死亡するサイバーエルフは存在しなくなりました。
代わりに1体のサイバーエルフを育成し、そのサイバーエルフに能力をアドオンしてカスタマイズする方式に変更となりました。
使用に関する後味の悪さはなくなり、特定条件でステージクリアランクにのみ影響を与える仕様に。
以前の賑やかさこそなくなったものの、救済要素としてはゼロシリーズ一使い勝手が良くなりました。
存在感が更に薄くなったサブ武器
Z3まで恒例だったシールドブーメランがリストラ。
1種類入れ替わっていたサブ武器として、ゼロハンドが追加。
どのような武器かというと、敵を攻撃して倒すと敵の能力を奪える、というカービィのコピー能力的なあれ。(シージングという)
ただ、どうにも影が薄い。
威力や特性に優れた能力が少ない他、ステージごとに使い捨て・ほとんどが使用回数制限つき・ステージギミックとして機能する役割がほぼ無い、
と、帯に短い要素しかなくて、正直使い勝手が悪い。
敵によって異なる能力を取得できる、それによって多数の能力を使い分けられる、というのが趣旨と思われる。
が、”使いたいときに使えるとは限らない”性質をもっているものをアクションで常用するかというと、あまり頼りたいとは思わないだろう。
また、シージング中はその武器枠をバスターに切り替えられないのも地味に痛い。
チップシステム:ちょっと待って、そのチップどうやって作るの?
本作最大のダメ要素だと思う。
機能的には、Z3のチップシステムそのままなのだが、
チップの入手方法が、雑魚敵を倒した際のランダムドロップアイテムを素材に合成する、という方式に変わっている。
これだけではそこまでダメというわけではないが、何を合成したら意味のあるチップを合成できるのか、ゲーム中ではほぼ分からない、というのが駄目。
チップは特定のアイテム同士で合成しないと失敗アイテムしかできないので、どのアイテムが必要なのかを記した、すばりレシピという合成表アイテムを入手して、その通りに合成するのが流れとなる。
流れとなるのだが、とにかくこのレシピの入手性が悪い。私のクリア時点でどう見ても初級と思しきレシピしか入手できていない程度である。
多分、ステージをそのままクリアするだけでは入手条件を満たせていないのだと思われるが、その結果がほぼチップシステムを活用できない、という結果ではバランス調整としてはお粗末に過ぎる。
しかもドロップがランダム+残機0のコンティニューでは入手アイテムがリセットされる仕様も相まって、そもそもアイテムが集まりにくい。
Z3で武器熟練度を廃止して稼ぎ要素を廃したと思ったのに、ここにきて稼ぎシステムを形を変えてぶっこんできたのは首を傾げるばかりである。
まとめ
良作。
ただ、この評価はロックマンゼロというゲームの骨子が良い、という話であって、Z3と比べるとシステムの調整が上手くいっていないように感じる。
ストーリー的にはこれでゼロシリーズ完結となるので、やらないわけにはいかないが、ゼロシリーズのなかで勧めるかというと微妙。
あと、ラスボスの角ぶら下がりは許さん。あれ、掴めるように全然見えないじゃないか。
ゼロシリーズとしてのまとめ
高難易度・高速アクションの看板に偽りなし。
素直な挙動、ゼットセイバー中心のアクション性、これがかみ合った”プレイするほど上達を実感できる”操作性は見事。
各ボスも一見対処方法が不明でも、繰り返し挑めば概ね対処方法があることに気付ける良いバランスで通されている。
反面、どのナンバリングをとっても、ほぼほぼゲーム性・操作性は変わっていないので、口に合わなければどのナンバーをやったとしても全く受け付けないだろう。
合う人、合わない人を選ぶ作品と言える。
また、Z1~Z4まで4作続いているが、基本的な操作性がほぼ変わっていないのは、面白いところ。
例えば、ダークソウルであれば1 -> 3となったら、ほぼ操作性は別物になっている。
これは、ロックマンゼロシリーズ自体がGBA向けに毎年リリースされていたからだろう。
ダークソウルは、ほぼナンバリングごとにプラットフォーム変わってるし、開発期間も違う。
感覚としては、大型DLCで3年間拡張してきた、という方が近いような気もする。
*1:ステージの天候により、そのステージの難易度が変化する