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己のゲーム遍歴 あるいは 感情のパンくず

「ロックマン ゼロ & ゼクス ダブルヒーローコレクション」レビュー part5

メリークリスマス!
は、もう過ぎているsitaranaです。
今年も早いものですでに年末。
年納の一本といきましょう。
 
本日はしばらく続いている「ロックマン ゼロ & ゼクス ダブルヒーローコレクション」から5作目、「ロックマン ZX(ゼクス)」をレビューします。
やり始めたときは、今年中にクリアしとくかぁ、くらいの気持ちだったんですが
思いのほか息が長くなっているのが意外なところ。
 
プラットフォームはSteam。
難易度はNormal、Hard / ヴァン、エールをそれぞれ1周ずつで計2周クリア。アシストセーブ無し。
プレイ時間は、それぞれ約10時間で合計20時間強くらい。
よろしくお願いします。

 

Z+X

本作は、Z4で完結したロックマンゼロの物語の続編です。

NintendoDSにプラットフォームを移して新シリーズスタート、というところ。

ストーリーにおいては、ロックマンZとつながりはあるものの時間軸は大分離れており、新しい登場人物・舞台が展開されます。

 
装いを新たにした新作ですが、そこはロックマンゼロ一族の系譜。
高速アクション & 高めの難易度は健在です。
ダッシュ・ジャンプの活用、敵の行動に対応した位置取り・瞬発的なダッシュによる姿勢を低くする回避の要求、などなど
やっぱりロックマンゼロだなコレ
と素直に感じられる仕上がり。(できて当然やろ?と煽られている気もする)
 
さて、ではロックマンゼロの焼き直しなのか?というと、そこは違くて
いくつかのシステムの変更から見える方針転換がなされています。
端的に言うと、本作は”ロックマンXに寄せたゼロ”というイメージを持ちました。
具体的には、「バスターの立ち位置の調整」と「ボス撃破報酬のアドオンの仕方」の2つ。
 

ロックマンってもともとバスターだったよね

ロックマンZがセイバーをぶん回すことに1つの特徴があることに対して、
じゃあロックマンXの本筋は何だったかというと、やっぱりそれはバスターなんじゃないかと思います。
Xというか、もともとロックマンという作品では、ロックマンはバスターで敵を倒すものです。
だからこそZがセイバーを使う近距離戦をメインに据えていることに特徴があるわけですが、本作ではそのバスターの立ち位置がかなり強化されています。

はい。よく見て欲しい。
フルチャージショットですが、青い球の周囲に赤い球2つがついてきて派手になっています。
とにかく見た目が良くなっている、という点からして何か違う雰囲気を感じますが、
実際、雑魚敵に対しては従来と比べて威力3倍、チャージセイバーからはセイバー3段切りが連鎖しなくなったのに対してチャージショットからは連鎖したり、
とにかくダメージの起点としてチャージショット使え、という圧力をひしひしと感じます。
威力についてもチャージセイバーとチャージショットの違いがほとんどないため、いくつかのショット系攻撃が遮られやすいボス以外に対しては基本的に従来のチャージセイバーの立ち位置にとって代わっています。
 
また、本作では近接を狙うよりバスターでタイミングを見計らった方が安全に戦えるボスが多いというのも、バスターを使えというメッセージだと思われます。
というのも、ロックマンゼロと比べても近接の隙が少なかったり、ダメージに対して近接カウンター出してきたり、とダメージソース以外にも近接攻撃がリスキーになりやすいパターンが構成されているからです。
 
じゃあセイバーの立ち位置は無いの?というと、そんなことはなく
叩き込める隙はちゃんとあって、そこに合わせてチャージショット -> セイバー三段斬り、と高火力を叩き込む、というのが本作のセオリー。
アクションゲームの都合、時間がかかればかかるほどミスしやすくなるのは必定。
チャージショットでキリキリと削りつつ、キッチリとコンボを叩き込んで仕留めていく、そのようなバランスになっています。
 

ボスを倒したら新しい武器が手に入るし、姿も変わる

もう一つロックマンXに近くなってるように感じるのは、
ボス撃破によって確定で報酬がもらえる、ということ。
ロックマンZと言えば、とにかく何かにつけて難しいことを達成しないと新武器はやらん!*1というシステムでした。
本作では、ボスを倒せばどのように倒しても確実に新要素が解禁されます。
 
まあ、実のところテクニカルフィニッシュ*2が存在するため、下手な倒し方をしたときのデメリットが無いわけではないですが、それでも従来のシリーズに比べれば条件は破格。
なにより、ボス撃破をすればご褒美が目に見える形で、しかもキャラクタの強化という形で得られるのはとても大きい。
 
また、確定入手になったことで、ステージ進行に必須の能力がそこに含まれるようになった、というのも大きな違いとなっています。
本作は従来のステージ制と異なり、メトロイドヴァニアのように自由にマップを探索する方式に変更されており、
前提のボスを撃破して得られた新能力で突破できるギミックの先に新しいボスがいる、という構成になっています。
このため、従来のステージ制では割と縦割り的なつながりだった部分がシームレスになったことで、自分で攻略している感が以前より強くなりました。
やっぱり、自分で”探して”、”見つける”という能動的な行動の先に目標があると盛り上がるもの。
この部分は味変としてよい変化だと感じました。
 

恒例の1作目には粗がある、の法則

カプコンの、というかロックマンエグゼやらロックマンゼロやらで感じた、新システムに絡む粗が本作にもちらほら。
 

そのミッションはどこにいけばいいんですか?

本作では、従来のステージ選択に相当するシステムとして「ミッション」がある。
先に述べたように、本作は自分でマップを探索する方式を採用しており、特定のマップにボスが出現する。
そして、マップにボスが出現する条件が、セーブポイントでミッションを受注することだ。

 
ぱっと見としては、ミッション一覧があり、各ミッションの説明を聞くことができる、ということが分かる。
実際ミッションの説明では、どこそこのマップで異常が起きているから解決してこい、という話がきけるため、じゃあそこに行こう、という導線なのだなとプレイヤーは思うだろう。
そしてはたと気づくのだ。説明されたマップってどこ?と。

 
本作では自らが訪れたマップしか記録されないし、ミッション受注によってマーカーが追加されたり、ガイドが表示されたりすることもない。
このため、行先の分かっていないミッションを受注しても途方に暮れることになる。
始末に悪いのは、ミッションの受注を取りやめると、ミッション開始から探索した分のマップ情報がリセットされる点。
とりあえずよく分からんが探せば見つかるだろう、とうろついた挙句、
”別のミッションの目的地は見つかったからそっちに切り替えるか・・・”などとミッションを取りやめると、ミッション受注地点に戻されたうえでマップ情報がミッション開始時の状態にリセットされる
そのうえ、ミッション対象のマップ付近に適当な転送地点が無いことも多く、
ミッション対象のマップを予め探しておく -> 見つかったマップのミッションを受注する、という 少々テンポの悪い流れになってしまっている。
 
また、ミッションで説明されるマップの状況からプレイヤーが推測する位置と、マップ全体から見た時の相対的な位置情報が参考にならないケースがあったりする。
なんで地下水路って説明があるのに、マップ全体からみて上方のマップが割当たってるんですかね・・・。
 

リスポーン地点の判定が面倒

またミッションに絡む話なのだが、残機が0になるとゲームオーバーになるのはいつも通り。
しかし、リトライを選択した際のリスポーン地点がミッション受注地点、というのが曲者。
 
初見では行先がさっぱり、というのは先述したが、初見でなくてもマップのつながりが割と分かりにくい
各マップにはA、B、Cといったアルファベットで識別されているのだが、単純にAの隣にBがあるという保証がない。
いや、ABCくらいはつながっているのだが、そこから先はアルファベット順がほとんど関係ない。
このため、ミッション個々に慣れていないと、そもそもどこからスタートするのが最短経路になるか、というのがそもそも間違えやすい。
そのうえ、NPCとの会話で先のマップを推測できるパターンほど、対象マップ直前に転送不可・セーブのみ可能、というセーブポイントがしれっと配置されていたりする。
知らずにミッションを受注したら直前に別のセーブポイントがあった、なんてことが何回か起きる。
高難易度アクションだけあって、できるだけミッションには余裕をもって挑戦したいもの。こうなると、ミッション取り消して~、また同じ場所までくるのか・・・と非常に面倒くさい。
 
ミッションのリスポーン地点は最後に通過したセーブポイント基準にする、とかで良かったんじゃないかなと思う。
 

各モデルの操作方法の説明がない

自分が見落としているだけかもしれないのだが、
ボス撃破時に取得できる各モデルの操作方法について、ゲーム内での説明が見当たらない・・・ように見える。
一部のモデルの特殊操作はステージ攻略に必須だったりするので、そのあたりだけでもチュートリアル、もしくは”そういった操作が存在することを示す”何かしらのデモを挿入して欲しかった。
何か”できる”ことが分かっていれば操作方法を探すということも思いつくが、できると思わなければ試すことすら思いつかないことだってあると思うのだ。
特に、HXとFXは攻撃方法自体が独特のため、ZXの延長で操作を考えているとその強みを全く生かすことができない。
この点、各モデルがそれぞれ作り込まれているので余計に残念に感じた。
まあ、ボス戦に関しては最悪ZXでチャージショットとゼクスセイバーぶん回してれば何とかなるのは過去作と変わらないんだけどね(OISで弱点つくと秒殺できたりで、難易度が激的に低下したりもする)
 

まとめ

良作です。
初のダブルヒーロー制による周回要素のテコ入れ、バスターの復権など盛りだくさんの本作。
うっかり”いい加減5作目プレイなんだし、ハードモードくらいクリアできるやろ"と2周目Hardを選択してしまったためにまごつきましたが、
雑魚敵からボスまできっちり調整された難易度、2周目(or Hard限定?)で明かされるストーリーなどHardの魅力もばっちりでした。

来年も良い年でありますように!
 

*1:高ランク評価が必要だったり、セルフ難易度高の設定が必要だったり

*2:ボスの弱点に攻撃を当てないようにして倒すと、武装入手時の最大使用回数が高くなるシステム