こんばんは。sitaranaです。
また一段と寒くなってきましたね。雪降るなんて聞いてない(天気予報見てないのが悪い)。
最近2Dアクションばっかやってるので、やっぱり2Dを続けてやりました。
今回の作品は「ENDER LILIES」。知ってる人は知ってるだろう、数年前に結構ヒットしたメトロイドヴァニアです。
今も昔もお財布の許す限り面白そうならカートに放り込んでおけの精神。
でも買ったからにゃあ、始めなければ。始めたなら終わらせなければ、なりますまい。
プラットフォームはSteam。v1.1.6。1周目ラスボス撃破で約21時間。全実績解除で+2時間ほど。
よろしくお願いします。
模範的な優等生
本作はポストアポカリプスな世界観を持つメトロイドヴァニアです。
まず何を見てもらいたいかというと。
↑幼女可愛い(実際はそこまで幼くないっぽいけど)
これです。
探索ものというと華が足りないビジュアル的にむさ苦しい場合がそこそこ多いのではないかと思いますが(偏見)、本作は全体的に”綺麗な”絵柄の作風です。
とりわけ、主人公である「リリィ」は少女であり、大変愛らしく描かれています。
なかなかに陰鬱な雰囲気が漂っているものの、アートワークの美しさは作中一切ぶれないので、ビジュアルから入るのもありな感じ。
特に主人公の仕草はなかなか気合が入っていて、拡張アクションごとのポージングも大変可愛らしいので一見の価値があります。
さて、では肝心のゲーム部分はというと正統派。
ボスを倒すと新能力が手に入り、以前通ったステージのいずれかのギミックを解消できるようになる、というスタンダードスタイル。
移動スピードが高めのため一方向に進んでいる分にはあまり気にならないけれども、マップ全体はかなり広め。
その代わり、ファストトラベル機能もデフォなので広さに対して困ることは少ない。
反面、新能力の獲得にはボス撃破が必須のため、シーケンスブレイクのような”自分がやりたいようにハチャメチャする”という側面は無し。途中、攻略順を多少選ぶことができるものの、大筋の順番は決まっている、という類。
↑ベンチをチェックポイントにしているのは、ホロウナイト味がある
探索要素で嬉しいポイントは2つあり、一つ目は無駄になるアイテムがない、ということ。
先にプレイした「メトロイドフュージョン」だと”いい加減にせえ”と言わんばかりのミサイル祭りになっていましたが、本作の拾得物はいつ拾っても旨味があるもので構成されています。
もう一つは、拾得物の残りがあるマップと終わったマップを色分けしてくれるていること。
これが非常に便利。
そしてモチベーションになる。
↑右上のミニマップの色分けに注目。私は最終盤になるまで気づかなかった
便利なのは言わずもがなで、全体数が分からなかったり、そもそも探すヒントが無いと総当たりするしか方法がなく、ライトにプレイするには苦痛。よほどの好きものでなければ、ある程度のところで”もういいや・・・”ってなりがちです。これが、範囲が限定されるだけでも大分楽になる。
加えて、”アイテムが残っているマップが可視化されている”ということは、=見落としが可視化されるということと同義です。ゲームプレイヤーってなんだかんだ”まだ達成してないものがあります”ってビシッと突き付けてくるのに弱くないでしょうか?
モチベーションにつながる、と言いたいのはそういうこと。
ゲーム設計的にもプレイヤーのほとんどが見つけるのを諦めてしまうみたいなのはあまり望ましくないはずで、メトロイドヴァニアのコンセプト的に、このわざとらしいぐらいの”ほら見つけてごらん?”というのはアリだと感じました。
以前、マップ上にマーカー置かせてくれ、と書きましたが、ヒント機能も兼ねるならこちらの方が断然Goodですね。
崩壊後の世界を旅するのが楽なわけがない
本作、アートワークが美しく、音楽も全体的にクラシック調で大人しく、かといって暗くもなく、道中を静かに盛り上げてくれます。
一部では”眠たくなる”などという評判もあるそうですが、個人的には疑問です。
だって、油断するとすぐに乙りますから。
探索システムは悪い要素がない優等生ですが、戦闘面は結構厳しめ。
本作はメトロイドヴァニアに戦闘面を厳しくする方向で味付けした作品なのでしょう。
ダメージバランスがなかなかに激しく、回避アクションが強力*1な代わりに一発一発の被弾が大分痛いバランスです。
特に終盤に近付くほどダメージが加速していく傾向にあり、被弾無敵がない分きっちり躱すことを求められます。
ボス前には必ずチェックポイントが設定されているあたり、何度も挑むことを前提に設計されているのは間違いありません。
↑攻撃自体は幽霊のような存在を使役して行う。スタンド
まあ、厳しいからこそアイテム探してステータス上げなくちゃ、というのは理にかなった設計。
攻撃スキルはボス撃破で獲得していく都合、中ボスも一体一体が独特になっていて、探索していて飽きないのも良い。
また、個人的には珍しいと思っているところとしてはレベル制を採用していることが挙げられます。
スピードランなどのタイムアタック系の遊び方が主な要素として組み込まれることが多いメトロイドヴァニアでは、あまり見ないシステム。
HPこそ増えないものの、攻撃力が増加するので殲滅力向上・戦闘時間の短縮で生存能力が目に見えて伸びます。
探索でスカった時でも、ステータス面は向上するメリットがあるので、探索が探すだけの徒労になりづらいのもいいですね。
それでも一定のレベルまで上げると、そのステージでは伸びなくなってくるのでレベルキャップはしっかりかかっている印象。脳筋でレベルゴリ押しは無理ってこと。
さて、ここまで要素を挙げてくると予想できますが、おそらく本作はメトロイドヴァニア+2Dソウルライク、の味付けの作品なのだと思われます。
レリックという装備品や攻撃スキルの付け替えシステムなどもあり、戦闘方針を自分で組み立てることができることからも、戦闘面に力を入れていることが伺えます。
個人的には好物を添えられているので好印象。多少難しめの傾向はありますが、自機性能が素直で強力な分、操作していて楽しくやりがいが感じられます。
スピードランも自分はあまり遊ばないので、ストーリーと1周のボリュームにかけてくれた方が嬉しいので相性が良かったですね。
なお、ここまで割と褒めっぱなしですが、ちょっとBadポイントはあります。
それは、全体的に色使いが暗色で構成されすぎているということです。
具体的には目を凝らさないと足場がほとんど見えない、というステージが多発していること。
この傾向、終盤になるほど顕著で、なかなか目がシンドイ。目が疲れる速度が他のゲームやってるときよりも明らかに速い。
アクセントで暗い・分かりづらいというステージが存在するのは分かりますが、全般的に見えづらいというのはちょっと。
作品イメージというのはありますが、足場くらいはもうちょい目立たせてくれてもいいんじゃねーかな、と。
まとめ
良作です。
良好な操作系で楽しくサイドビュー戦闘ができる、良質な作品。
とりあえずプレイしてみなよ、とお勧めできる仕上がりです。(絵柄もきわどくないしね)
個人的な推しポイントとして、地味に装備しているスキルによって、そのもとになっている面子が傍に立ってくれるのが嬉しい。
登場人物それぞれに背景がちゃんと設定されているので、関連のあるキャラ同士を並べてみるという遊びもできますし、
ポストアポカリプスにありがちな”孤独な旅”の印象を感じにくいのが良い。
さて、ボスの攻撃パターンが増えるらしいのでNewGame+もプレイしてみますか。(チャレンジ調整は、ノーマルで普通に厳しいのでノーサンキュー)
追記:キタナイはキレイ
NG+クリアしたぞ!っと。
NG+クリアと全スキルカンストで、12時間くらいプレイ。
ちょっとネタバレの感想を入れるので、気になる方は注意。
NG+も個人的には満足度高め。
バランスは、全般的に敵の攻撃頻度アップ & 前隙・後隙の減少によって、大分ハイテンポな戦闘に切り替わりました。
初見のNG+シーグリッドあたりはかなりびっくりすると思います。
これがもたらしたのは、隙が少ない代わりに威力控えめ または 威力がそこそこあるけどリキャスト長めの中距離レンジ などの特性を持つサブスキル群の再評価。
ぶっちゃけ1周目だと、黒衣の剣士の最終段まで出せることもざらな程度に後隙が多かったので、中間くらいの性能のスキルを使う意味があまりなかったのに対し、いい感じにスキルを差し替える余地が増えた。
改めて使うと多少のネタ被りこそあるものの、それぞれ使える状況が異なるため遊びの余地が広がったように感じる。
1周目では多少の近道くらいの意味しかなかったグラップリングのアンカーや壁登りなどを活用して、大胆なショートカットを決められるのも〇。
すべての敵が最終チャプター相当の強化をされているので付き合いきれない、というのもあるけど。
反面、穢れの残滓が圧倒的に足りないのは微妙。
2周目は隅まで探索しなかったのもあるけど、全スキル強化のために3週目までいかないと全然足りなかった。(これでもデカい残滓の塊は全回収したのだけど)
雑魚とかボス追憶のドロップで稼ぐより周回した方が明らかに楽なのよね・・・。
まるでダクソの原盤稼ぎのよう。
また、戦闘以外でも黒衣の剣士のセリフや浄化時の回想などで、結構”匂わせる”スタイルの語りをしているため、改めて見るとこういう意味だったのかなぁ、と想いを馳せられるのは良いところです。
この世界・国は終わってしまっているものの、果ての国は少なくとも陸続きの6国のうちの1つにすぎない、ということが示唆されているので、近隣の国がどうなっているのかは気になるところ。
果ての国に白巫女の血脈が残ったのは全くの偶然っぽいので、悲観的に見れば壊滅。
楽観的に見れば穢れの根は国境を超えるほど広がっていないのかもしれません。とは言え、古の民を滅ぼしたのは他の国の連中も同じなので、穢れが向かわなかったと考えるのも不自然かもしれませんね。
黒衣の剣士がいるとはいえ、生者が一人きりというのも悲しいもの。リリィの歩む先に何某かの出会いがあることを祈るばかりです。
また、穢れの描写自体は割とありふれたモチーフですが、なんだかんだいって有機的なグロテスクさというのは人を惹きつけるものがあります。
本能的な醜悪さを感じるとともに、気持ちの悪い美しさがある。
きっとそれは見た目だけの話ではなく、心や振る舞いにも通じるところ。私がひねくれているだけかもしれませんが。
プレイ後記としてはこれで締め。メトロイドヴァニアというよりは、高難易度アクションとしての側面で楽しんでいた気もしますが、面白ければ終わりヨシ!
では、また。
*1:ビックリするくらい無敵時間が長い