お久しぶりのお久しぶり。
sitaranaです。
少し仕事が忙しくて時間が空きました。
唐突ですが、東方プロジェクトご存じですか?
私は本編をプレイしたことはなく、二次創作関連で知った口です。
二次創作の枠にはイラストや漫画だけでなく、ゲームもあります。
そんなわけで、本日は「東方TD(タワーディフェンス)アイギシュ 完全版」をレビューしていきます。
購入元はDLsiteのダウンロード版です。
評価
人を選びます。
本作は東方2次創作では割とよく見る、とあるゲームのクローンゲームの一種です。
理由は後述することになりますが、一言でいえばシステムの面倒さとゲーム性の波長が合うか合わないかが線引きになります。
いつもの成分表。
ストーリー:★★☆☆☆
バトル:★★★☆☆
システム:★☆☆☆☆
自分としては、期待に合っていたところと合わないところがくっきり分かれた感じです。
どんなゲーム?
一言で言ってしまえばDMMの千年戦争アイギスです。
ジャンルとしては、育成要素のあるタワーディフェンス。
少し前にレビューした「溶鉄のマルフーシャ」がかなり変則的だったのに対して、
どちらかというと正統派に近いつくりです。
ユニットを入手して、強化して、次のステージを攻略していく。
この流れを繰り返していく。
といっても、オマージュ元と違って買い切りなので追い課金要素はありません。
さて、では千年戦争アイギスとどんな違いがあるのかというと、
システム面ではほとんど同じに思えるくらいそっくりです。
ユニットにレアリティがあるし、レベルがあるし、スキルもある。
同じキャラ重ねてスキル上げするところも、何ならキャンペーンとイベントでステージが分かれているところも同じ。
じゃあ何が違うの?というと、主に2点。
- ユニットが東方キャラになっている
- やり込み用の特殊モードが追加されている
順に見ていきましょう。
情熱の向かう先
まず1つ目、「ユニットが東方キャラになっている」ですが、
なんと戦闘用のキャラグラもちゃんと書き起こされています。
千年戦争アイギスでは、タワーディフェンスパートのユニットは敵も味方もドット絵です。
しかも、アイギス風のドット絵です。
...二次創作というのは果たせぬ欲望を求めていく向きがあるとはいえ、凄まじい気合です。
だって、味方だけで80種類(武器違いのモブもいるとはいえ)くらいはいますよ。
敵を含めたら100種類はいくでしょう。
その熱意がキャラグラにだけ向いているのか、というとそんなわけはなく、
やり込み用の特殊モードに向けられています。
特殊モードは2種類あります。
- 敵の強さを1.5倍に強化したモード
- 味方の強さを初期値に戻して挑戦するモード
これらは各ステージクリア後に挑戦可能です。
1番の方は割とありふれたものですが、
2番に込められたメッセージは誰が見ても明らかでしょう。
「初期ステータスでもクリアできるように作っています」ということです。
うっそだー!?
あの忍者ステージとかクリアできる気全然しないよ???
という筆者の心の声は置いておくとして。
本家ではソシャゲの傾向としてレベル上げが大前提な面がありますが、
この手のタワーディフェンスでは最小のコスト、配置、タイミングで勝利するパズル的な様式美を追求する側面が存在します。
本作はそういった多数の手札から最適解を見出す方向に、力を注いでいるということでしょう。
実際、自分の考えた戦術が上手くハマった時の快感はなかなかのもので、
本家の仕組みだと初期ステータスキャラを準備するの面倒なので、
この手のフォローは割とありがたいものです。
とはいえ、クリアする方もきついですが
バランス調整する方はさらにとんでもない労力がつぎ込まれていることが想像できます。
ここからも「俺のやりたいことを追求する」という意気込みが感じられます。
君は今まで食べたパンの枚数を覚えているか?
ここまでゲームの特徴を並べてきたわけですが、ここからはダメだしの時間です。
本家に対して縛りゲーの方面に力を入れているのは、
個人的には「醤油ラーメン頼んだら出汁が思ってたのと違う」くらいのテイスト差。
然程、失敗したなーとは感じません。
しかし、それらを補って余りあるほど、とにかくシステムが不便です。
例えば何10種類もユニットがいるのにソート機能がないとか、
4チーム編成できるのに再起動すると出撃チームが1チーム目に初期化されるとか、
マウス操作しか対応していないのに右クリックもマウスホイールも何も機能していないところとか、
思いつくのを並べるだけでWeb黎明期のブラウザゲーかよ、と言いたくなるほどシステム回りが古臭い。
とても2017年発売のゲームとは思えません。
一応、本家にも久しぶりにログインして確認してみましたが、若干UIが古めな感じこそすれど、めちゃくちゃ不便ってほどでもない。
(ちゃんとソートとかあるし、マウスホイールでリストもめくれる)
もしかしたら古い時代の本家がそういった操作性になっていて、
クローンゲームだからとそこもコピーされたのかもしれませんが、
個人的にはこれはノーサンキューな判断です。
加えて、やり込みモードに対する実績が記録されないのも手が回ってないなと感じるところです。
ステージクリア進捗は本家相当に星3つの実績表示があるのに対して、やり込みモードはクリアしてもなんのマークもつかないのです。
スクショとって「俺はやったぞ!」とマウントとるとか以前に、「このステージクリアしたっけ…?」となってしまうのです。
パズルものって、結構詰まったら別の問題解いて気分変えようか、となることが多いと思うのですが、それが気軽にできない。
いや、Googleスプレッドシートとかで外部管理すれば済む話なのですが、そこまでやるか?って話で。
特に報酬とかも設定されてないし、やりたきゃやれば?くらいのノリかもしれませんが、なんとも導線が薄いような。うーむ。
感想
この手のゲームジャンルについては、もうしゃぶり尽くされている感じがするので面白くないってことはないです。
ただ、システム回りについては明らかに落第点だと感じます。
千年戦争アイギスクローンをちょろっとやりたいって人向けで、この手のゲームをこれからスタートするのはあまりお勧めできないなぁという感じ。
まあ、本家は本家で長期のサービス提供に伴って、
レベルとかユニット資産とかの関係で新規勢が参入するのはいささか厳しいところがあるので、一長一短ではありますけれども。