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己のゲーム遍歴 あるいは 感情のパンくず

「討鬼伝 極」レビュー

初めましての人は初めまして、sitaranaです。

 

本日のレビューは「討鬼伝 極」です。

知る人は知っている、コエテクの狩りゲーシリーズ。発売時期はプラットフォームによりますが、2014~2015年と結構古いタイトルです。

プレイ動機はというと、後継作の方をプレイ済みで結構好きだったからです。最新作プレイしたら過去作もプレイしたくなることないですか?

プレイ環境はSteam版です。

なお、本作は「討鬼伝(無印)」と「討鬼伝 極(アペンド)」の詰め合わせになります。

 

今回からですが、書くスタイルを雑記帳スタイルに変えます。

前回の記事を書いたときに、思考の流れと実際に書いていることがすれ違ってしまって筆があまり乗らなかったところがあるので、様子見です。

 

どんなゲームか?

狩りゲーです。

モンハンと同じで、拠点で準備を整えて任務を受注し、フィールドに出撃して指定されたモンスター(本作では鬼)を倒して帰還する。

この一連の流れで完結する由緒正しいスタイルです。

特徴として次のような点が挙げられます。

  • 和風ファンタジーな世界観
  • ストーリー描写に力が入っている
  • 任務にNPCを(基本的に)3人まで連れていける
  • 討伐対象が逃げない
  • 戦闘スピードが気持ち速め

といったところ。

モンハンの系譜であるわけですが、NPC連れ歩けるとかストーリー描写に力を入れているといった点が、本家よりもゴッドイーターを彷彿とさせます。

実のところ、自分は本家より本作やゴッドイーターの方が好みです。

筆者はモンハン自体は触れたことはあるのですが、最後までクリアできたことがありません。

対して、本作はクリアまではできたので、何かしらあるのだろう、というのがこの記事で書きたいことでもあります。

ある意味でJRPG的なフィーリング

本作は狩りゲーなわけですが、そのノリはRPGっぽいです。

主人公に特別な背景設定があって、ストーリーがあって、NPCそれぞれにキャライベが充実している。

このあたり、コエテクの得意とする日本歴史物の世界観とキャラ造形の良さがいい味をきかせています。

ストーリーも王道で、要所要所で起承転結がまとまっていて無理がない。

これらが狩り以外の部分でプレイヤーに対する牽引力になっているのです。

 

本家を参考にすると、狩りゲーにはある意味でハクスラに似た要素があります。

すなわち、

  1. モンスターを狩る
  2. 狩った成果で武器や防具を整えて自分を強くする
  3. 別のモンスターを狩りにいく。つまり1.に戻る

というのがメインルーチンなので、アクション的な要素を引っこ抜くと「自分を強化するために装備素材を掘る」になるのだと思います。

ハクスラではこのルーチン、大抵の場合は最終局面までサクサク進んで、最もレベルが高い環境まで手を付けないことがほとんどです。

どういうことかというと、中途半端なところで稼ぎにいっても、少し進んだ先にある上位のレベルの装備の方が全然強力なのが常だからです。

なので、最近のハクスラでは最高レベルまではサクサク進められるような導線やレベルデザインにして、最後でひたすらチャレンジしてね、というのが多いです。

そこを比較対象とすると、狩りゲーは結構しんどいというか、受注できる任務を義務感みたいに全部こなすとかなり時間がかかる傾向にあります。

その最終局面までの導線として、ストーリーやキャラが邪魔しない程度にいい感じに働いています。

 

初心者にも安心の難易度

狩りゲーはサクサク進めるのが結構辛い、ということを前述しましたが、

本作はそれでもかなりサクサクです。

というのも、次の2点がかなり難易度の低下に寄与しているからです。

優秀なNPC

本作のNPCはとても優秀です。

攻撃面そうですが、サポート面もばっちりです。

自キャラがHP0で倒れても即撤退ではなくて、一定時間以内に救援してくれたら戦線に復帰できます。

キャラも立っているので、一緒に戦っている感がにくいところ。

敵が逃げない

モンハンで戦っている最中にモンスターが逃げた時思ったことはないでしょうか。

逃げてんじゃねえ!と

たまにイベントとかでアクセントとして加わるならともかく、毎度毎度どの敵も同じように逃げられると

なあ、首。その首置いてけよ、なあ!とどこぞの島津みたいになるのはやんぬるかな。

これが駆け引きやテンポとして面白いと感じる人もいるのでしょうが、個人的にはただぶった切りたいだけなので煩わしさを感じていました。

別に適当に追っかけってって戦闘再開するだけなので面白味が感じられなかったのです。

その点、本作では敵は一切逃げ出すことをしないので快適だし、時間を無駄に使っている感覚もありません。

狩りゲーというジャンルにもの申したいこと

これはモンハンと同じタイプの狩りゲーというジャンルに対して思うところなのですが、進めていると強烈なマンネリを感じることがあります。

この手の狩りゲーは、ルーチンからプレイヤー側のアクションまで最初から最後まで同じまま、というのが鉄板です。

装備や敵のバリエーションで変化を出す形ですね。

これが思ったよりも辛い。

知り合いがモンハンで、「半分眠ったまま討伐して記憶がない」とか言っているのを聞いて冗談だと思いましたが、本作でそれを経験しました。

任務受けて、出発して、モンスターを狩る。この流れがひたすら繰り返されるので刺激が足りなくなってくる。(単純に私が飽きっぽいだけとも言います)

加えて、攻撃の効き具合が分かりづらい。10分近くHPバーなしで殴り続けるのは、いつ終わるのかわからないマラソン的な印象があります。

また、どれくらい有効打になっているか判断しにくいので、自分が適正レベル(装備)で挑めているかわかりづらいのも辛いところがあります。

本作では鬼の目というシステムで敵の残体力を可視化できるのですが、それでも10分かけて削りきる体力に対して10秒程度眺めてても変わるわけでもなく、うーんとなりました。

NPCが優秀すぎる問題

ゲームとは選択あるいはインタラクションである、とはよく言われることですが、狩りゲーにおけるプレイヤーの主要な行動は狩りそのものです。

狩りだけを見るならば、敵とプレイヤーで戦闘するアクションとなるわけですが、NPCが優秀過ぎるとプレイヤーがいる意味が分からなくなります。

つまり、あいつらがいれば俺いらないんじゃないかな、問題です。

プレイヤーの干渉があって成否が分かれることにゲーム的な対話としての面白さや達成感があるわけで、何もしなくても勝てるならプレイヤーはいなくてもいいわけです。

もっとも、NPCがアホだとそれはそれで不満になるのでバランスが難しいところです。できればNPCだけだと厳しくてプレイヤーと合わせて気持ち厳しめくらいのバランスが個人的には好みなのですが。

感想

なんだかんだ文句付けましたが、悪くない作品です。

アクションもスピード感があって、下手な私でもほぼ必須任務を駆け抜けて終わらせられたくらいレベルカーブがまったりしているので手ごろな作品です。

(薙刀+迅スタイルミタマ ガン積みのゴリ押しですけど)

素材集めも補助してくれるシステムがあるので、装備更新が滞りがちということもないですし、モンハンは諦めたけどやってみたいなぁ、くらいの人にちょうどいいのではないかと思います。