初めましての人は初めまして。積みゲー消化中のsitaranaです。
皆さんメカは好きですか。
私は好きです。ガンダムとかもいいんですが、自分で好みの組み合わせとかできると最高です。メダロットとか大分はまりました。
本日のレビューは「DEAMON X MACHINA」。かの有名なARMORED COREに近いのではないかと、発売当初騒がれていたタイトルです。
プラットフォームはSteamです。
概要
3次元TPSメカバトル、と適当にジャンルっぽいものをつなげるといかめしい感じですが、要は自分の機体を組み上げて戦えるメカアクションゲーです。
基本、拠点で機体を整備して、ミッションという名のバトルフィールドに出撃することの繰り返しです。
こうしてみると、構成は狩りゲーに非常に近いものがあります。
特に本作は、装備開発や敵ドロップからのトレハン要素があるので、メカものという観点を除くと更に似ているように感じます。
では、何が違うかというとメカものであるということです。
装備拡張の概念、戦闘システム、そして何よりメカで戦えるというシチュエーションそのものが差別点でしょう。
自分の機体を組み上げるロマン
大まかに分けて、頭・胴・両手・足・メモリからなるボディパーツと、両手・ショルダー・オーグジュアリ(補助システム)・両手の持ち替え用サブからなる武器枠を組み合わせて機体に仕立てます。
まあ、これが楽しい。
性能のあれこれを悩んだり、見た目とのバランスを気にしたり。
武器種もミサイルからバズーカ、果てはビットっぽい自立兵器まであるので、バリエーションはかなり豊富です。
武器を選びながら、この格好で戦場でどのように立ち回れるのか、それを想像するのもロマンというものでしょう。
カラーリングやデカールもかなり豊富なので、自分だけの機体に仕上げるのに凝るのもいいでしょう。
むしろ、これが楽しくないならこのゲームは向いていません。(断言)
↑ガレージで組みあがった自分の機体を眺めまわすのも一興
組み上げた機体で戦うロマン
そしてお待ちかねの戦闘です。
戦闘システムはオーソドックスなもので、ターゲットサイトやレティクルが画面中央にあって、そこに敵を収めてロック、攻撃をしかけていくというもの。
スライド移動しながらマシンガンで掃射、ミサイルをぶっ放すのはメカもの以外では味わいにくい快感でしょう。
また、回避アクションがなく、敵の銃撃を避けるためには移動速度に緩急をつけて射線から抜け出すというのも渋い。
そして何より、自分で組み上げた機体で戦うのはとても楽しい!
スババーっとブースターで戦場をかけて、回り込みながら掃射、射線を搔い潜って近接武器で一撃を入れる。
そういった、あんなこんなを実現できる面白さがあります。
↑大型の敵との戦闘もある
そのほか、一時的に攻速防のいずれかをブーストする***シフトとか、分身を生成するミラージュなどギミックが盛りだくさんあり、メカで格好よく戦っている感がお手軽に味わえます。
ただ、武器種に依存する癖とか最適距離の概念は気づかないとそのまま突き進めてしまうので、システム的な部分だけ攻略wikiを一読するのがお勧めです。
近接武器2刀流の意味とか最後らへんで知ったので、まだ試してないのです...。
そして人体改造
改造できるのが機体だけだと思った?お前もだよ!
サイバーパンクものでは定番ですが、本作ではプレイヤーキャラを人体改造できます。
システム的にはお金を払ってアンロックするただのスキルツリーなのですが、改造が一定の度合いに達すると見た目もきっちり変わるところがこだわっています。
メカものって近未来設定多いから、サイバーパンクっぽい要素を取り入れても違和感ないのは盲点でした。
見た目に影響するせいなのか、無茶苦茶強力なものがラインナップされているわけではないのですが、サイボーグ化して戦っているというシチュエーションが燃えるのです。
あ、有料で改造内容はキャンセルできるので心理的に抵抗ある人もご安心を。
王道で語り口が電波なストーリー
メカものでストーリーが秀逸というのはあまり聞きませんが、本作のストーリーは結構アレです。
いや、振り返ってみると結構王道な感じなのですが、ほぼ一人だけちょくちょく独白を挟んでくるやつがいるので、そのキャラの印象が強すぎる。
操作できない時間の1/4くらいとってるんじゃないの?といいたくなるくらい長い。
この部分は会話劇でもないポエム調なので、余計感性が合わないとしんどい気がします。
スキップはできるけど、なんか重要情報とかまぎれてると嫌だしで、結局スキップできないんですよね。
成長要素の希薄さ
RPGではレベル、アクションゲームでは装備のアップグレードなど、何かしら「ゲームを進行するにあたって、パラメータの境界線を踏み越える」タイミングが設定されているのが多いように思います。
本作ではその要素がとても薄いです。
というのも、機体に組み込むパーツや武器について、純粋に性能が上位互換になるというパターンが中盤以降ほとんどなくなり、性能が一長一短になってきます。
これはこれで悪くないのですが、システム的な性能の伸びしろが装備のアップグレードに依存している以上、ここが止まるとレベルデザインがどうなるか。
これはもう、プレイヤースキルの向上にほぼ全振りしていると言っていいでしょう。
人体改造やアタッチメントとかもありますが、手を出さなくてもいい程度の影響しかないので、これが全体のレベルデザインやボリュームが思ったよりも大きくない要因になっているように思います。
実際、筆者は中盤以降は気分以外で装備を変えることはなかったし、ほぼすべてのミッションが1回でクリアできたので、レベルデザイン的にスケーリングしづらい構造になっているのではないかと。
ボリューム不足が玉にきず
本作で明確に欠点と言えるところは、値段に対して本筋のボリュームがもの足りないというところです。
どんなもんかというと、オンラインを除くストーリー、フリーミッションを必須の別なく全部こなして総プレイ時間が30時間ちょい。
飯食べてるときつけっぱだったりしたので、実プレイ時間は30時間を切るでしょう。
なので、ちょっと食い足りないというか、もっと色々戦わせてくれ!というのが正直なところ。
本作は装備の質が武器ごとに変わらない代わりに、拡張用のスロットが空いている数がランダムなので、そこを厳選するトレハン要素があります。
そちらにのめり込むとか、好みの機体で繰り返し出撃するとか、遊び方は色々あるとは思うのですが、正直プレイフィールが対して変わらなくて飽きがくるのが早く感じます。
探査ミッションというランダム生成ステージはあるものの、見た目がずっと室内なので新鮮さが薄いし、うーん...。
ミッション限定で特殊な兵装が貸与されるものもいくつかありますが、絶対的にバリエーションが少ない印象。
降機した状態で歩き回れる細かい階段とか、こだわりが随所にみられるのはいいのですが、力入れる優先順位間違えてない?と思わなくもない。
PvEもPvPもできるようなゲームだと、片方しかプレイしない勢にとっては嬉しくないことになりがちだけど、この手のメカものって大抵PvP入ってるんだよなぁ。
感想
良作です。
手放しで称賛できるってわけではないですが、メカものってニッチ市場ですからね。
ニーズに応えてくれて、いい出来栄えなら非難する理由は何もありません。
ただ、アタッチメント枠だけのトレハン要素はちょっとノーサンキュー。掘るならもっと新鮮なパーツが欲しい。
多脚型とかキャタピラ系のバリエーションとか欲しいですね。重武装とシナジーしそうなやつ。
ゲームの寿命を延ばすなら、ミッションのボリューム増やして、装備はガレージでカスタマイズする方向にしてくれた方がうれしいな。