こんにちは、初めまして、また会いましたね。
順調に(?)積みゲー消化中のsitaranaです。
今日のレビューは「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントムストライカーズ」...って長い。略して「P5S」です。
ペルソナといえば、メインストリームはRPG。スピンオフで音ゲーだったりジャンルを変えてくるのがいつものパターン。
そんな中、P5Sがとった路線は無双風味のアクションRPGです。
小中高、大学に至るまで基本ジャパニーズRPGしか嗜んでいなかった私ですが、最近はもっぱらアクション、あるいはアクション要素を混合したゲーム中心にプレイしていて、流れにばっちり合う本作。
というわけでいってみましょー。
プラットフォームはSteam。バージョンは...リリースノートがないな。
とりあえず記事執筆時点の最新版です。
概要
本作は、本編である「ペルソナ5」(以下、P5)のスピンオフ作品です。
ストーリー的には、P5の後日談という位置づけ。
Steamのレビューを見るとP5をやってなくても楽しめる、と書いてあることもあるが、ストーリー面も楽しみたいならP5のプレイは必須だというのが自分の意見。
戦闘システムのTutorialはあれど、作中用語辞典とか一切ないので、本編未プレイだと話から置いて行かれるのは確定であります。
後日談という都合上、キャラゲー的な側面も強いのでなおのことです。
今だったら、完全版「P5 Royal」がいいでしょう。*1
さて、ペルソナ作品のスピンオフというと、ペルソナ3あたりからこういった路線の展開はされていて、音ゲーだったり格ゲーだったり、とにかく本編のRPG路線とは被らないように展開しているようです。
じゃあP5Sはどうなっているかというと、ジャンルは無双風味のアクションRPG、開発はAtlus & コーエーテクモ・ωForceチーム。
ωForceは無双シリーズの開発チームです。自分としては討鬼伝で知ったチーム。
討鬼伝は気に入っていた作品だけに、どういった味付けがされたのか、説明していこうと思います。
あの素晴らしい日々をもう一度
まずスピンオフとなると、大本と空気感が異なって微妙、みたいなことがまず第一に懸念されるわけですが、
P5Sではそういった心配は杞憂です。
キャラモデリングからメッセージウィンドウ、ボイス、はそのままに。
あの動いてオシャレなメニューは進化して帰ってきました。
キャラクターのセリフ回りも違和感はありません。このあたり、アトラスときっちり協力してるのだと思います。ブラボー!
↑ちょっとしか出番ないけど屋根裏アジトも
今作では、主に怪盗団に重点を置いてストーリーが進行します。
本編でもやり取りが足りなかったわけではありませんが、どうしても尺の都合でストーリー後期参入組ほど絡みが少なめだったのは致し方のないこと。
本作では、そういった本編で後に加わるメンツに対してフォーカスを当てていく構成になっています。
本編でさりげなく流れてしまっていたネタも拾われていて、まあそうなるよね、という雰囲気。
美少女怪盗とか名乗ってたら、そりゃ擦られ続けますわなぁ。
残念な点としては、ペルソナ3からの代名詞的なコミュ要素のカット*2と、一緒にコミュ関連のキャラクターの出番がないことが挙げられます。
人間的な関係性や成長を表現するシステムなわけですが、本作が夏休み1ヶ月で完結するストーリーラインであることや、本編で成長を描いた都合と相性が悪かったのでしょう。
怪盗乱舞
ストーリー面はいいとして、肝心のゲーム部分はどうなのか。
無双というと自分のイメージは、
1. 敵が大量にわちゃわちゃ出現して
2. ボタンポチポチでひたすら掃除
3. たまに必殺技どばー
というすんごい雑なゲームの印象でした。
評判は悪くなかったので、さてどんなものか、とプレイしてみたわけですが、
すんごい楽しい。
本編でも古典的なターン性RPGとしては、すごく動きがあって花があったわけですが、その部分的に見えていた動きを全部操作できる、と言えばこの楽しさが伝わるでしょうか。
ペルソナ、銃撃といったP5らしさがワンボタンで実現します。
また、地形を利用したアクションも用意されていて、P5らしい魅せるアクションを随所で披露してくれます。
オリジナルのシステムを別のシステムにうまく落とし込んでいるのって、とっても大好き!
ペルソナの属性耐性なんかもそのままで、本編ではRPGの都合、ターゲッティングが受け身の姿勢になっていたわけですが、本作はアクション。
ジョーカーなら、無効や吸収属性のついたペルソナに付け替えて敢えて突撃するという方法も取れるようになりました。
...うん。ワイルドが強いのも、面倒なら物理技ぶっぱが最適なのも納得です。
まあ、乱戦だとよく分からん奴ところから別属性の技をぶつけられて死ぬので、そこで相殺されているとしましょう。
乱戦上等のバランスでタイマンになる方が悪い。
反面、P5の特徴だった、バトンタッチが「操作キャラを変更するシステム」変更されているのは非常に残念でした。
ペルソナって属性相性ありきのバランスなので、雑魚戦での不利な相手に遭遇した時のやっちまった!?を回避するのに非常に有用でした。
また、道中のメンバ間負荷分散から、ボス戦での総力戦している感の演出までRPGとしての不足分を補う良いシステムだと感じていたからです。
バランスの都合で変わったんだろうなぁ、とは思うのですが、非常に残念です。
小骨
アクションとしてはかなり好感触なのですが、システム回りがちょっと微妙なところが多い気がします。
特にRPG的なところが微妙な感じで、これはコエテク開発のせいなんか?という気もする。
- アイテムがムダに多く、欲しいアイテムがなかなか見つからない。大量にあるご当地系アイテムが、傷薬などの回復専門のアイテムを選択するのに邪魔
- 属性が多すぎてTECHNICALの発生条件とか覚えていられない。偶然発生すればいいレベル?
- 基本的にジョーカーが一人生き残っていれば何とかなるバランス。アイテムゴリ押しはともかく、ペルソナを切り替えられる都合上、HPの自家発電がやり放題
- 本編ではターン制だったのものあって、最悪「アイテム係」という役割もあったが、アイテム使いたい放題なのでその意義もない
- ボタン配置が結構独特。回避操作がRLトリガに割り当てられてるのは初めて見た
結論
ペルソナ5らしさをアクションRPGにきれいに落とし込んだ良作です。
無双シリーズって、みんなこんな感じなんでしょうか?
無双系は単純すぎる、と食わず嫌いしていたのが少しもったいなく感じています。
P5本編をやっているなら問答無用でおすすめできます。アクション苦手でもレベルとアイテムでゴリ押しできるしね。
反面、P5やってないor合わない人にはお勧めできません。結構な比重で、怪盗団のその後に関する描写に占められているのでノリが分からないor合わないは致命的です。